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公開日: 2025/05/26
セキュリティコラム
 公開日: 2025/05/26

「8050問題」の抱える問題点について探偵目線で解説

この記事の読了目安時間は約 1 分です。

何らかの問題によって他人や社会との接点を拒否してしまって自室から出てこなくなってしまった人のことを「ひきこもり」と言いますが、このひきこもりが社会問題化し始めたのは1980年代頃からです。

この当時話題になっていたのは中高生のひきこもり問題で、時間の経過に連れて意識や状況の変化によってひきこもり状態が解消されたり、自らの意思で脱した人も存在します。

しかし、この1980年代当時から変わらずひきこもりである人は、2025年時点だともう50代に突入しており、養う家族も80代に差し掛かっていたり90代にまでなっている場合もあるでしょう。

このような80代以上の親が50代以上のひきこもりの子どもを支えて生活し続けた結果、経済的・社会的に困窮してしまう状態は「8050問題」と呼ばれ、新しい社会問題として現在注目が集まっています。

「8050問題」が抱える問題点にはどのような問題点があるのか、解消するためには何が必要になるのかを探偵の目線から解説していきます。

現在まさに「8050問題」の状態そのものにある人や、成人以上の年齢の子どもがひきこもり状態にあるご家族の方はぜひ最後までお読みください。

当該ニュースの概要

「介護が必要になった高齢者の家を訪問したら、独身の息子や娘が同居しており、長期にわたり働いていない、家族以外の人づきあいがないなどの悩みを抱えていることがわかった」。

このような形で介護関係者らが出会う事例は、10年ほど前から8050問題と呼ばれている。公式の定義はないが、8050問題は高齢の親と未婚や無業の子どもが同居する世帯で生じる生活困窮や孤立の問題を指す。

引用元:8050問題が突き付ける日本社会の宿題〜「ひきこもり」問題と単純化せず幅広い視点から対策を〜【調査情報デジタル】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース

「8050問題」が抱える問題点

未成年や20代30代といった若者のひきこもりと違って、「8050問題」の状態にまで至ると深刻さは非常に高まってしまいます。

どのような点が問題となるのか、お伝えしていきます。

収入面で子どもを支え切れない

若者のひきこもりであれば、想定される親の年齢はまだ40〜50代といった働き盛りの年齢です。

会社内である程度の役職を持っている場合もあるため、体力的な面や収入面でも働いていない子どもを支えることができます。

しかし、60代を越えて定年退職を迎えてしまうと、例え再雇用されたとしても定年以前よりも給与面が下がることが圧倒的に多く、新しい仕事に就いたとしても基本的には非正規雇用なので給与は高くありません。

それでも年金の給付と合わせればある程度の収入にはなりますが、更に年齢を重ねて80代に入れば働き続けること自体が体力的に難しくなるため、生活は基本的に年金頼りになります。

80代の人がもらう厚生年金の平均額は、男性だと月額約15万円で女性は約10万円、国民年金であれば男女共通で約5.5万円なので、世帯としての月収は多くても月約25万円です。

生活は何とかできそうな印象ですが、それは肉体的に健康なままでいられた場合の話です。

ここから両親の老いに伴って介護が必要な状態となれば病院や介護施設・ヘルパーの料金もかかるため生活はより一層圧迫されるでしょう。

体力の低下により生活を維持できない

年齢を重ねれば体力も低下していく一方なので、家事などの負担も以前より増してしまうでしょう。

身体にどんどん負担がかかってしまうと老齢の親だけでは生活がままならなくなってしまうことが考えられます。

また、高齢の親に介護が必要になったとき、子どもが介護を担うケースもありますが、子ども自身も高齢・体力低下が著しく、共倒れのリスクが高まります。

親との別離で子どもの生活が破綻する

老齢の親が亡くなってしまったり、ガンなどの大病を患って入院することになった場合、家で子どもの生活を支える存在がいなくなってしまうことになります。

ひきこもりの子どもは基本的に自室から出ないため、家事をどのように進めていいかわからなかったり、料理を満足に準備できない可能性もあるでしょう。

その結果として家の中の衛生環境も悪化したり、偏った食事によって50代を越えた子どもの健康リスクも高まるため、生活は破綻してしまうでしょう。

更に両親との死別という避けられないライフイベントをひきこもりの状態で迎えてしまった場合、頼れる存在は誰もいなくなり状況はより一層悪くなっていくことになります。

社会復帰の難易度が非常に高い

もし「8050問題」の状態となるまでにひきこもりが進展した場合、仮に子どもが一念発起して社会復帰を試みたとしても、50代を越えた人の就職はどうしても難しい側面があります。

仮に以前社会経験があった上でのひきこもりであれば、経験のある職種・業種であれば再就職の可能性は出てきますが、職歴のない50代の初めての就職はどうしても高いハードルが待ち構えていると言わざるを得ません。

逆に雇用する側の立場で考えると、全く職歴がない上に教育を重ねたとしても定年まで後10年しか働けない50代よりも、同じ職歴なしでも今後30年以上働いてくれる見込みのある20代の方を採用したいと考えるのが自然です。

もし家業を持っている家であるなら何とか働いてもらえる可能性もありますが、何も継がせられるものがない家だと社会復帰はどうしてもハードルになってしまうでしょう。

「8050問題」が迎える可能性のある結末

もし「8050問題」を解決することなくそのままにし続けた結果、どのような事態を迎えてしまうことが予想されるのでしょうか。

両親の死別により子どもが完全に孤立

生活を支えてくれていた両親と死別してしまった結果、子どもは社会的なつながりを全く持たない状態で生活も立ち行かなくなり、完全なる孤立を迎えてしまいます。

そうなってしまった子どもは、果たしてどのような行動に出るのかは予想が難しい部分ではあります。

もしかしたら一念発起して、例え道のりは長くても就職活動を行なって社会復帰を果たすかもしれません。

しかし、これには高い壁を越え続ける必要が出てくるでしょう。

その壁を乗り越える強さを持てなかった場合、そのままひきこもりが継続することとなってしまい、最悪の場合は孤独死という結末になりかねません。

子どもの精神状態の悪化によるトラブルの発生

ひきこもりを続ける子どもも、ただ何も考えずにひきこもりを続けているわけではない場合があります。

自分なりに将来に対する不安を抱いているものの、具体的にどう行動すればいいかわからずに一歩踏み出すことができない心境を抱えている可能性も考えられます。

こうした心理のサインを的確にキャッチできれば、適切な支援によって社会復帰を目指すことが十分に可能です。

しかし、子ども本人としてもひきこもり生活によって他者との接し方を忘れてしまったことで、どのように助け舟を出せばいいかわからず、そのまま一人だけで悩みの中に陥るかもしれません。

そうなると誰にも言えない悩みを抱えたままになるため、精神状態の悪化による精神疾患の発症のリスクが高まってしまいます。

特に誰とも関わることができない状況となってしまうと他人が自分に対してどのように考えているのか、自分の一方的な思考で考えてしまうことで被害妄想を抱きかねません。

被害妄想が進展してしまうとだんだん周囲に敵意を向けられている意識が高まり、敵を排除するための行動に出る可能性も考えられます。

その時、一番身近にいる敵意を向ける可能性がある存在が、味方であるはずの親になります。

子どもが自分自身でも抑え込めないほどに思考が先鋭化してしまった結果、親や家族に危害を加えたり、最悪の結果としては殺人事件にまで発展するケースもあり得るでしょう。

こうした悲しい結末を回避するためには、ひきこもり問題に詳しい専門機関やひきこもりに至った背後関係まで洗い出せる探偵などの調査機関に相談するのも一つの手です。

探偵はどう見る?

家族問題はなかなか表面にでてこないため、深刻化しやすいです。

特に「8050問題」のように事態が長期化している場合、家族間での解決は難しく、第三者による支援が必要でしょう

ひきこもり問題に対して、探偵ができることは以下のとおりです。

  • 生活パターンの調査
    (本当に外出していないか、また外出した先でどのような行動をしているか)
  • 安全の確認
    (外の世界に脅威がないことを、客観的視点でお伝え)
  • 接触の橋渡し
    (調査によって得た情報をもとに、家族や支援団体とアプローチ方法を考案)

引きこもり問題は大きな社会問題です。
一人で抱え込まず、ぜひ一度、ご相談してください。

 

監修者・執筆者 / 山内

1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ

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