近年、中学受験ブームが加熱しています。
令和7年度の首都圏(1都3県)の中学受験率は、令和6年度の約18%を上回り、過去最高になる見込みです。
このような受験熱の高まりに伴い、親から子どもへの「教育虐待」の問題が浮上しています。
教育虐待を受けた子どもは、生涯にわたる心の傷を抱えてしまいます。
そして、中には犯罪行為に及んでしまう者もいるのです。
この記事では、近年注目されている教育虐待とその危険性についてまとめ、教育虐待を防ぐ方法についても解説しています。
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2025年5月7日、東京都文京区の東京メトロ南北線・東大前駅のホームで、43歳の容疑者が大学生の乗客を刃物で切りつけ、逮捕された事件が起こりました。
警視庁の調べによると、容疑者は「教育熱心な親のせいで中学時代に不登校になって苦しかった。〝東大〟の名前がついた駅で事件を起こすことで、世間の親たちに対して、度が過ぎる教育のせいで子どもが犯罪を起こすことを示したかった」という趣旨の供述をしているといいます。
参照記事:「「教育熱心な親のせいで不登校に」…東大前駅で無差別刺傷「地元記者が感じた」受験熱高い住宅街の変化」2025年5月13日
教育虐待とは、親が成績が悪い子供に対して
といった行動を取ることをいいます。
教育虐待は、家庭内のみで行われるため、発覚しづらく、実態が分かりづらいという特徴があります。
2008年に東京都で起こった秋葉原無差別殺傷事件の犯人も、過去に親からのひどい教育虐待を受けていました。
秋葉原事件:秋葉原市の歩行者天国に2トントラックで突っ込んだ犯人が、5人の歩行者をはねた後、ガターナイフで次々と歩行者を殺傷した事件
犯人の母親は、当時子どもだった犯人の学業の成績に厳しく介入し、体罰や暴言を繰り返し浴びせました。ときには、床に食事をぶちまけて無理やり食べさせるなどの虐待をしたといいます。
このような親からの教育虐待の悪影響によって生きにくさを抱えた犯人が、大量殺人事件を起こすに至ったのです。
教育虐待が起こる原因は、以下のようなものが挙げられます。
近年、首都圏では5人に1人が中学受験をするといわれるほど、中学受験ブームが到来しています。
加熱する受験戦争の中で、親たちは周りの親子と自分の子どもを比較し「我が子も良い学校を受験させて合格させなければ」と焦ってしまう傾向にあります。
その結果、子どもに必要以上に勉強を強いてしまうのです。
少子化の影響で、夫婦が持つ子どもの数が減り、1人あたりに費やせる教育費用が増加しています。
その結果、学習塾などの習い事に必要以上に子どもを通わせ、子どもが負担に感じるケースが多くなっています。
親自身が当時通いたかったが不合格だった学校を、親の代わりに子どもにリベンジ受験させようとする親も増加しています。
子どものためではなく、親自身の満足のために勉強を強いられ続けた結果、子どもはなんのために勉強しているのかわからなくなり、次第に無気力さを募らせてしまいます。
近年、幼少期に受けた教育虐待によって、大人になってからも苦しみ続けている人々がクローズアップされています。
教育虐待は「教育のため」という建前で行われるため、問題を認識されづらいですが、子どもの心に深い傷を負わせる可能性がある重大な問題です。
親からの暴言などによる心理的虐待は、子どもの脳の発達を阻害します。
教育虐待を受けた子どもは、成長してからもアダルト・チルドレンとして生きづらさを抱え続ける可能性があります。
※アダルト・チルドレン:幼少期のトラウマや、家庭内で親から不適切な育児・教育をされたことなどに起因して、成人しても持続的に生きづらさを感じる人々のこと
教育虐待を受けている子どもや、過去に教育虐待を受けた人は、
「自分の苦しみを周囲に理解してもらいたい」
「教育虐待の問題性を代表して表現したい」
と考える場合があります。
その結果、犯罪行為や逸脱行為、非行を繰り返したり、自傷行為などの問題行動に及ぶことがあります。
教育虐待を防ぐためには、大きく分けて2つの対策方法があります。
最も重要なのは、親自身が教育虐待の知識を付け、自身の行動の問題性を自覚することです。
また、過度な学歴主義的な思考は、子どもに負担を強いる場合があるため、このような考え方を改める必要があります。
本来、教育は、子どもの意向を尊重しながら、子どものやる気を持続させて行うべきものです。
子どもの気持ちや考えを無視して、親が学習を強いてしまっていないか、自身の行動を省みることが大切です。
教育虐待をされた子どもたちは、複雑性PTSD(数カ月から数年にわたる体験が原因で発症するPTSD)に苛まれることもあります。
複雑性PTSDの症状が出てくるのには、原因となった出来事から何年もかかることがあるため、後になって事件が起こってしまうケースも。
一種の洗脳状態に陥っている被害者を救うには、長い年月がかかります。
探偵であれば、客観的視点で教育虐待の実態を調査します。
専門的知識を持った第三者の目が入ることで、徐々に洗脳状態から解放されることもあります。
過去の遺恨に悩まされている場合は、ぜひ一度ご相談してください。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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