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公開日: 2025/05/27 最終更新日: 2025/05/26
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 公開日: 2025/05/27 最終更新日: 2025/05/26

父親のDVで天才囲碁少年が自殺|教育虐待への対策を探偵目線で解説

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2025年5月21日、中国で9歳の囲碁の天才少年が、飛び降り自殺によって命を落としたと報じられました。

少年は両親の離婚後は父親と同居していましたが、家庭内暴力(DV)の存在が噂されています。

証言によると少年が囲碁の対局で負けると人前で激しく叱責したり、囲碁の大会の表彰式にはあざのある状態で出席していたと言われています。

父親がDVを行なっていたかの事実関係は定かではありませんが、確認されている限りの状況証拠から見てDVが疑われるのは自然な流れで、中国のネットユーザーからは父親に対する批判の声が集まっている状況です。

このように、熱心な教育が行き過ぎた結果として暴力を伴った内容となってしまうと「教育虐待」となり、子どもが成長してからも残るほどの精神的ダメージを与えるだけでなく、最悪の場合は自殺といった悲しい結末を迎えることもあります。

総じて虐待というものは家庭の外からではその兆候に気付きにくく、わずかなサインを感じ取った上で対処することが必要です。

この記事では、中国の天才囲碁少年の自殺を基に、教育虐待の特徴や取るべき対策をご紹介します。

当該ニュースの概要

2025年5月21日、中国メディアの南方日報によると、中国で9歳で囲碁のアマチュア6段の腕を持っていた男児が父親からの暴力を苦に建物から飛び降りて死亡したとの情報がネット上で拡散している。

記事によると、19日に中国のSNS上で「9歳の囲碁アマチュア6段の男児が、父親からの家庭内暴力の後に飛び降りた」との情報が拡散した。少年は7歳の時に全国大会の幼児クラスで優勝し、囲碁について専門的に学ぶ学校に入っていたとの情報や、両親が離婚して父親と同居しており、父親は息子が対局に敗れると人前で激しく叱責するなどしていたといった情報、大会の表彰式に参加した男児の腕に暴力を振るわれてできた可能性があるあざが見える写真などが同時に拡散しているという。

引用元:9歳の囲碁天才少年が自殺か、「父親のDVが原因」などネット上で情報拡散―中国

教育虐待とは?

教育虐待は、子どもの心にダメージを与えるほどの行き過ぎた指導のことを指しますが、対策のためにはまず教育虐待について理解を深める必要があります。

教育熱心との違い

子どもの成長のために教育に力を入れることを「教育熱心」とも言いますが、教育虐待との違いは何でしょうか。

根底にあるのは教育の目的が「教育を通した子どもの成長」にあるか「子どもと自分の成功」にあるかどうかで、前者の場合は教育熱心の範囲ですが後者になると教育虐待に発展してしまいます。

両者の違いをまとめましたので参考にしてください。

教育熱心 教育虐待
目標 教育を通した子どもの成長 子どもと自分の成功
子どもへの共感 高い 低い
動機づけの方法 対話による説明 暴力などによる強要
子どもの様子 明るい・健やか 暗い・元気がない
親の様子 明るい・裏方に徹する 厳しい・率先して前に出る
柔軟性 ダメなら別の道を考える 無理やり続けさせる
子どもの将来 自己肯定感が高く前向き 成功しても暗い・心に傷

このように、教育熱心な場合は子どもの成長のために必要な要素を与えて、子どもに適性がなかったり嫌がることであれば違う選択肢を考えることができます。

自主性を尊重されて育った子どもはのびのびと育つようになり、将来的に高い自己肯定感を持ったり前向きな性格になるでしょう。

しかし、教育虐待を受けてしまうと基本的に子どもは親の意向のままに行動することになり、求められた目標を達成できないと暴力などを交えた厳しい指導を受けることになります。

つまり、行動原理が親の気持ちを満たすことだけになってしまい、親自身も自分の求めるように子どもをコントロールします。

そのため、率先して前に出るがゆえに、子どもの自主性も育ちません。

結果として教育の末に何かの道で成功できたとしても、それは子ども自身が求める成功の形ではない場合があり、達成感に満たされることはないでしょう。

その上、親からの暴力などによる厳しい指導がトラウマとなってしまい、成長しても心の傷となり続けてしまう可能性も高いです。

教育熱心と教育虐待には、外から見ての違いがないとしても最終的な結果に大きな違いが生じてしまいます。

教育虐待の与える傷の深さ

教育虐待となるかどうかは子どもの感じ方次第という部分もあり、成長過程にある子どもが抵抗感を見える形で示すことは難しい部分があります。

また、親自身も「子どものためになる」「よかれと思って」といった心理によって教育虐待を行なっているパターンが非常に多いため、自らの過ちに気付ける可能性も低いです。

子どもは親の求めるハードルを越えようと努力し続けますが、そのハードルが高ければ高いほど教育虐待が継続する期間も長くなり、より長期間に渡って子どもの心を蝕み続けることになります。

最終的には成長したとしても、子どもの頃の記憶が残り続けます。

自らの行動すべてを「完璧にしないといけない」と考える過剰な完璧主義に苛まれ、理想と現実のギャップに苦しみ続けることになるでしょう。

また、子どもの成長後に親の態度が軟化したとしても親子関係が改善することはなく、半ば絶縁状態になるケースもしばしば見受けられます。

最悪の場合、親から与えられるプレッシャーに耐え切れずに自らの命を絶ってしまったり、命は落とさないながらも重大な後遺症が残ってしまうこともあるでしょう。

親が教育虐待をしてしまう理由

教育虐待によって子どもにかけられる心理的なプレッシャーは計り知れないほど重大なもので、大人になってもその時の傷が残り続けるほどです。

にもかかわらず、教育虐待を行なってしまう理由としてはどんなものがあるか解説していきます。

自分の人生が不完全だと思っている

教育虐待を行なう理由の代表例としては、自分の人生に感じている不完全さを、子どもの成功によって追体験的に満たしたいという気持ちです。

例えば、自分が行けなかった大学に行かせたり、成功できなかったスポーツでの成功を求めたりと、親自身が成功できなかった進路に子どもの希望を無視して進めさせることがあります。

もちろん子ども自身も同じ進路に進みたいという気持ちがあれば話は別ですが、そうでない場合は親の希望を子どもに強制している状態に他なりません。

もし子どもが親の希望を叶えたとしても、それで満たされるのは親だけで肝心の子ども自身ではありません。

また、子どもが優秀な結果を出した時に、その成果を教育を行なった自分自身が優秀だからだと感じるのも教育虐待を行なう親に見られる傾向です。

しかし、頑張ったのは子ども自身なので親の成功とは言えません。

このように子どもを一人の人格として考えず、まるで自分のコピーかのように扱っているのも教育虐待を行なう親に見られる思考パターンです。

他者と比較する・させる

教育虐待をする親の典型的な考えとしては、他の人からの評価を気にして子どもにも他者からの評価への張り合いを求める傾向にあります。

例えば「他の家は名門校に進ませるようだからウチも負けていられない」「親戚一同この高校に行かせているからウチも行かせないと」と、教育の目的を他者との競争への追従としている点が挙げられます。

他にも、より身近な兄弟同士で比較をさせて「お兄ちゃんのようにならないと」「お姉ちゃんはできるのに何でできないの」とプレッシャーを与えるのも教育虐待です。

人にはそれぞれ得意分野があるため、画一的な成功の形を求めるのが適切ではない場合があることを、頭に入れておくべきでしょう。

幅広い視野を持っていない

親自身の視野や価値観が狭く、凝り固まった思考を持っていると、子どもに一方的な教育を敷いてしまうことになります。

例えば「受験で名門大学に入ることこそが人生の成功」「勉強できなければ将来の成功ルートから外れる」などの価値観から特定の進路しか許さないことがあるでしょう。

しかし人生には何が起きるかわからず、成功ルートとされる進路に進んだとしても何かしらのアクシデントでそのルートを降りないといけない瞬間もあります。

また、一流大学を出て大企業に就職することが人生の成功ではなく、一念発起して起業することや海外に移住して生活するなどさまざまな人生の形があります。

このような人生の多様性を親が認識できていないと、子どもに偏った進路を強制してしまって教育虐待に発展する可能性があるでしょう。

また、親自身の人生の楽しみが教育しかないという場合も、行き過ぎた熱意から教育虐待に至ってしまうこともあります。

親自身も子どもの成長にしたがって自らをアップグレードさせていく姿勢が求められます。

探偵はどう見る?

教育虐待で恐ろしいのは、親が子を洗脳してしまうことです。

「私は強要していない。子どもが自分から受験したいと言ったんだ」というケースもあるかもしれませんが、子どもは大人から学習した「よい子」の思考でもって、本音で賛同するのです。

「親が喜ぶ顔が見たい。期待されていることに応えたい」と、潜在的に思ったがゆえの行動の場合もあります。

だからこそ、双方洗脳している、されているという自覚が芽生えず、最悪のケースにまで発展してしまいます

探偵であれば、客観的視点で教育虐待の実態を調査します。

専門的知識を持った第三者の目が入ることで、徐々に洗脳状態から解放されることもあります。

もしかしたら教育虐待かも、と思うことがあれば、一度ご相談してみてください。

 

監修者・執筆者 / 山内

1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ

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