新型コロナウイルスによる「コロナ禍」の状況において、ホストクラブの売上は過去最高値を記録するなど、ホストクラブブームが巻き起こりました。
行動制限などで抑圧された状況にあったことでもたらされたストレスの解消先として、女性から高い需要を持っていたことが伺えます。
コロナ禍による行動制限が撤廃された現在においてもホストクラブの人気は衰えることを知らず、現在も多くの女性客がお店を訪れています。
そんな中で、ホストが自らの業績を上げるために女性客との親密な関係を匂わせ、多額の金銭を要求したり借金させてまで店に通わせる過度な営業スタイルが問題となっています。
女性客はホストクラブに「売掛金」といういわゆるツケ払いをしてまで店に通い、その代金返済のために風俗業を行なう「風俗落ち」の事例も多いです。
このようにいわゆる「風俗落ち」をしてしまったことで将来のライフプランが崩れたり、病気に感染することでの健康被害を受ける女性も少なくありません。
女性がこうした悲しい進路を進んでしまわないために、ホストクラブの危険性を理解させたりいち早い脱出を試みる必要があります。
この記事では、探偵に実際に寄せられたホストクラブに関する依頼事例を基にして、探偵ができるホスト絡みのトラブルを回避する方法を解説します。
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初めてのホストクラブ。初回は千円と格安だった。彼だけでなく、仲間のホストが十数分ごとに隣に座った。「かわいいね」。キラキラした世界に魅了された。
(中略)
だが要求は日増しにエスカレートした。
「もう少しでナンバー入りできる(店の上位になれる)。シャンパンタワーをやってほしい」。平日も週末も関係なく店に呼ばれ、1回に数十万円を使うのが当たり前になった。
払えない日は「掛け」で飲んだ。代金をホストが立て替え、客が後日返済する仕組み。「掛けでいいよ。気にせず遊んで」と勧めてきたのも彼だった。
だが返済が滞ると、彼の言動は一変した。「返せる?」「連絡ちょうだい」。矢継ぎ早に冷たいLINEが来るようになった。
銀行や消費者金融のカードローンも使い、500万円、600万円…と借金はみるみる膨らんだ。借金で売掛金を返しては、再びツケで遊んだ。
(中略)
娘からSOSを受け、動揺した母は、老後資金としてためていた2千万円近い金を娘に渡した。父には内緒だった。
だが彼女は借金の清算後も思いを断ちきれず、まだ彼のいるホストクラブへ行った。もう店の外では会ってくれなくなっていた。
通っても通っても、彼はすぐに別のテーブルへ行ってしまい、ほかの女性客へ甘い笑顔を振りまいていた。心が折れ、ようやくだまされていたことに気付いた。店への支払総額は約3千万円になっていた。
引用元:<神戸の探偵 事件ファイル>就職した娘、ホストの沼に 3千万円貢ぎ風俗店へ 突き止めた相手は○○大生|いい大人の Life Design|神戸新聞NEXT
女性がホストクラブにハマってしまう原因には何があるのでしょうか。
そこにはホストから受ける影響もあれば、女性本人が抱える問題も関係していきます。
ホストクラブの営業スタイルは、男性のキャストと女性客が通常の接客業よりも物理的・心理的に近い距離で接することで擬似的に恋愛のような感覚を味合わせる点が特色です。
そのため、男性と接したり恋愛の経験が少ない人がホストクラブに行くと、いきなり親密な関係にあるかのような距離感でホストと接してしまい、恋愛的な関心を抱いてしまいがちです。
近い距離感で接する内に本当にホストへの恋愛感情を抱き、ホストに会うために店に通う回数が増えてしまい、金銭的な負担も増していくでしょう。
もしホストが恋愛感情を向けられていることに気付けば、ホストはその女性からお金を引っ張るために、さらに恋愛感情を焚き付ける行動を取ったり、実際に交際を始めるケースもあります。
しかし、ホスト本人にとってはあくまでお金のための関係なので本気の恋愛感情は存在せず、女性客はただホストの要望を満たすために動き続けるだけになってしまうでしょう。
恋愛経験がある女性であっても、失恋の際に受ける精神的ダメージがとても大きいものになれば、その傷を癒すためにホストクラブに足を踏み入れるケースもあります。
失恋の直後は恋人を失ったことによる精神的な空白を埋めようとする意識が働き、そこにホストからの擬似恋愛的な営業をかけられることで満たされる感覚を覚えてしまうでしょう。
結果としてホストクラブにどんどん通ってしまうことになるため、男性経験の多い女性でもタイミング次第ではホストの術中にハマる可能性があるでしょう。
女性自身が誰かに認められたいという承認欲求を強く持っていたり、逆に誰からも認められないと自己肯定感が低い場合はホストにハマりやすいです。
自分がホストクラブで遊んで担当してくれたホストの売上が上がることで「自分はこの人の役に立っている」という感覚を覚え、もっと役に立ちたいと考えて店に通ってしまいます。
ホスト個人の売上は店内でランキング化されており、女性側からも自分がどれだけ売上に貢献したかが目に見えてわかるようになっています。
他にも、何かに打ち込めるものがなかったり負けず嫌いな人も、ランキングによって成果を感じるためにホストに通う傾向があります。
ホストクラブにいる最中や、ホスト本人と深い関係を持てば満たされる感覚を覚えるかも知れませんが、それは一過性のものだと理解する必要があります。
場合によっては、ライフプランが狂ってしまうほどの損害を受けてしまう可能性があるため、考えられるリスクを頭に入れておきましょう。
ホストクラブに通うには多額のお金が必要になるため、20代の若い女性ではそこまでの費用を工面できない場合がほとんどです。
そのような場合、飲食代をホストが建て替える「売掛金」と呼ばれるシステムが存在しており、要するにツケ払いによってお店に通うことができるようになります。
しかし、売掛金はホスト側に返済する必要があるため、売掛金が増えれば増えるほどホストとの関係は恋愛ではなく、債権者と債務者の関係に変貌していきます。
会話もだんだんお金をいつ返すかの話になり、お金を払えない客にホストは見向きもしなくなるでしょう。
もし売掛金の返済ができない場合、返済金を工面するためにお金を稼ぐ手段を考えることになります。
その際、収入が高い仕事として風俗を提案され、ホストとの関係を切りたくないと考える女性は風俗で働くことを選んでしまいます。
こうして売掛金支払いのために風俗業で働くことを「風俗落ち」と呼び、風俗で得た収入を元手にしてホストクラブに通い続ける選択肢を取ることになります。
しかし、風俗落ちによって生活習慣が変わってしまうことで学業や仕事に支障をきたしたり、性病への感染による身体への影響、望まない妊娠による将来のライフプランへの影響など弊害は大きいです。
また、風俗の仕事はホスト本人ではなく、風俗業のスカウトグループによって斡旋されます。
スカウトは斡旋した女性が働いて得た報酬の1割ほどを収入にしますが、もし女性が風俗業を辞めたいといった場合にはかなり強引な方法で働かせ続けると言われています。
場合によっては違法薬物の使用も考えられるため、「風俗落ち」は避けるべき状況だと言えるでしょう。
今回紹介した事例のように、多額の借金を抱えた上に風俗店での勤務が辞められないという状況になってしまえば、ホスト脱出の難易度が上がってしまいます。
そのため、ホスト通いを辞めさせるには早い段階での行動が必要になります。
ここからは、ホスト通いから足を洗わせるための探偵目線でのアプローチを紹介します。
ホストに通い続ける要因としては、ホストクラブ店内で擬似的な恋愛を体験したことで恋愛感情を抱いてしまう理由が大半です。
しかし、ホストは売上を出すために多くの客と接する必要があるため、一人だけ特別扱いをすることが難しいもの。
つまり、他の客にも同じような関係を持っている現場を確保したり、ホスト本人から恋愛感情がないという旨の発言が引き出せれば恋愛感情が薄れることが期待できます。
探偵であれば、ホストから足を洗わせたい女性の周辺を調査して通っているホストクラブやホスト本人を特定し、決定的な証拠を引き出すまで調査が可能です。
何よりも重要なのが、ホストに対して抱いている理想と現実のギャップを自覚させることにあります。
探偵による徹底的な調査によって、ホストの現実を引き出して捕らわれている理想を打ち砕くことができます。
ホストクラブに通う方を説得するためには、現実を直視させることが重要です。
探偵は、ホストの実態や他の女性客との関係性などの情報を収集し、依存者に提供することで、幻想から目を覚まさせる手助けをします。
自力での解決が難しい場合、専門家への相談が効果的です。
ホストクラブへの依存を断ち切るために、恐怖心を利用する「ストーカートラップ」という手法があります。
これは、ホストがストーカー行為をしていると見せかけ、依存者に恐怖を感じさせることで関係を断たせる方法です。
他にも、潜入調査も含めさまざまな方法がありますが、対策されてしまうので伏せておきます。
ホストクラブへの依存は、金銭的・精神的に深刻な影響を及ぼします。多くの女性が多額の借金を抱え、生活が困窮するケースも少なくありません。
依存が進行すると、正常な判断が難しくなり、社会生活にも支障をきたすことがあります。
さらに、依存の背景には孤独感や自己肯定感の低さが関与している場合が多いため、心理カウンセリングを通じて自己理解を深めることも有効です。
最も重要なのは、自分自身の価値を再認識し、健全な生活を取り戻す意志を持つことです。
ホストクラブへの依存は、個人だけでなく周囲の人々にも影響を及ぼす問題です。
期の対応と適切なサポートを通じて、健康的な生活を取り戻すことが可能です。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ
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