霊感商法とは、ただの壺や印鑑といった何の変哲もない品物を、霊の存在を匂わせて超常的な力や何かしらの効果があるとして不当に高い金額で売りつける悪徳商法のことです。
1980年代以降にその存在が広く知られるようになり、一時は国を挙げての対策も取られたことで被害は縮小したかのように思われました。
しかし、2022年に安倍元首相を銃撃し殺害した犯人の動機には霊感商法被害があることが判明してから、近年においてもまだ霊感商法の被害に苦しむ人がいる事実が白日の元に晒されたのです。
なぜ霊感商法が世に広まって40年ほどとなる現代においても、霊感商法による被害は後を絶たないのでしょうか。
この記事では、霊感商法被害の現状と、被害を受けないための対策を探偵目線で解説します。
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日本司法支援センター(法テラス)の「霊感商法等対応ダイヤル」への相談が、昨年11月末で1万件を超えた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関する被害相談を対象とした政府の電話相談窓口を引き継ぐ形で、2022年11月に設置。霊感商法被害全般が対象で、旧統一教会関連は全体の2割弱にとどまるが、他の団体を含めて最近でも月200件前後の相談が寄せられるなど、問題の根深さが浮かぶ。
法テラスに霊感商法等対応ダイヤルが設置されて2年ほど経過し、相談件数は累計1万件を超えるなど、まだまだ霊感商法による被害が続いている現状を思い知らされる数字が出ています。
霊感商法が確認されたのは40年ほど前と歴史は古く、古典的な商法とも言われていますがなぜ現在でも被害が続くのでしょうか。
その裏には、霊感商法の加害者による巧妙な手口の存在があります。
霊感商法を仕掛ける人間は、ただ闇雲に誰彼構わず狙っているわけではなく、霊感商法に引っ掛かりそうな人を選んだうえで犯行におよびます。
霊感商法に騙される傾向があるのは、以下のような特徴を持つ人だという考えが根強いです。
加害者は、ターゲットと最初はあくまで普通に接してきますが、会話のやり取りのなかで人物像を見抜き、騙せそうだという感触を得たら一気に仕掛けてきます。
また、騙すための口八丁手八丁にも長けており、冷静になって聞いてみると荒唐無稽な話であっても本当だと信じ込ませる技術を身につけている点も厄介です。
そのため、的確なターゲットの選定によって霊感商法の成功率を高めているという傾向が読み取れるでしょう。
身内に不幸が起きるなど、精神が不安定になりやすい状況は霊感商法を仕掛ける絶好のタイミングです。
普段だったら話を聞いたうえで冷静な判断ができる人であっても、精神的に揺らいでいる場合だと騙しのトークに耳を傾けてしまう可能性が高まります。
話の内容にいささか信じられない部分があると判断できれば突っぱねることは十分に可能ですが、心が弱ってしまうことは誰にでも起こり得ます。
そのタイミングを悟られないように、精神が落ち込んでいる状況こそ用心深くなることが必要です。
いつの時代においても、多くの蓄えがありながら老化によって判断力が鈍ってしまったお年寄りは、悪徳商法の一番のターゲットです。
若い人が聞けば疑問に思う話をされたとしても、そのまますんなりと受け入れてしまったり、効果があると信じてすぐに壺などを買ってしまいがちになります。
また、年を取るごとに宗教への信仰心が増していく人も多いため、その高い信仰心に漬け込んで高額商品を買わせるのが主なやり口です。
高齢者は霊感商法だけでなく、さまざまな悪徳商法の危険に晒される可能性が最も高いため、周囲の人が注意して見守ってあげる必要があります。
霊感商法を行う宗教に多額の献金を支払い続けるのに耐えられず、その宗教から抜け出そうとする信者が存在します。
しかし、宗教から抜け出すことは容易ではないと言われていますが、それはなぜなのでしょうか。
そこには、宗教に特有の要素がいくつも複合的に混ざり合っています。
最も大きな理由としては、宗教というものが自分自身の人生と大きく関わり過ぎてしまい、宗教で生まれた人間関係と離れて生きていくのが難しいと考えるためです。
これは宗教内部で地位を高めた人がより顕著に感じるもので、宗教内での地位を手放せば実社会で通用するキャリアは一切なく、宗教を抜けた方が生活が難しくなってしまいます。
また、親戚が信者ばかりであれば宗教から離れることは親族との絶縁も意味するため、より宗教からの離脱は厳しくなるでしょう。
単純に宗教に対する信仰心が強くて離脱を促せないというケースもあります。
強い信仰心を持ってしまうと「本当に奇跡はあるんだ」「自分も奇跡を体験したい」という憧れによってどんどん宗教にのめり込んでしまいます。
逆に、宗教を離れることができた人にはこのような強い信仰心はなく、ただ親の宗教にそのまま入っているだけの「宗教2世」である場合が多いです。
そのため、宗教からの離脱を促す鍵は「信仰心の削減」ということになります。
霊感商法の被害を防ぐには、冷静に状況を見極めることが大切です。
相手の主張を鵜呑みにせず、証拠や客観的な証言を集めることで、冷静な判断が可能になります。
過去の事例でも、事前に証拠を押さえていれば多くの被害が未然に防げました。
探偵は、相手の実態や不正の証拠を収集し、被害を防ぐサポートを行います。
洗脳被害に陥ると、冷静な判断ができなくなり、被害が深刻化します。
探偵は、被害者の状況を調査し、相手の実態や手口を明らかにすることで、洗脳から引きはがすための計画を支援します。
専門的なアプローチで被害者を救い出し、家族や関係者と連携して問題解決を目指します。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ
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