
「いじめ被害を受けていた子どもが、悪質なスピリチュアルにはまってしまった……」
悪質なスピリチュアルとは、偽りの占いや霊能力を信じ込ませ、被害者の不安を煽って高額な商品・サービスを売りつける悪質商法(霊感商法)のことです。
いじめの被害者やその家族など、不安やストレスが高い人は、このような悪質なスピリチュアルのターゲットになりやすい傾向にあります。
本記事では、いじめ被害者がスピリチュアルに傾倒しやすい理由や、悪質なスピリチュアルから離脱する方法について解説します。
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子どもによるいじめの定義は、以下のとおりです。(いじめ防止対策推進法第2条)
「いじめとは、児童や生徒対して、その児童や生徒と一定の人的関係にある他の児童や生徒が行う、心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」
いじめは、あってはならない重大な問題行為であり、被害者の心身に大きなダメージを与えるものです。
2023年に行われた文部科学省の調査によると、全国の小・中・高等学校・特別支援学校で認知されたいじめ件数は、過去最多の732,568件で、前年度比7.4%増加しました。
いじめの重大事態の発生件数についても、過去最多の1,306件でした。
しかし、まだ認知されていないいじめもあり、報告件数は氷山の一角といえます。
いじめは、子どもだけではなく大人が被害者になる場合もあります。
大人による職場でのいじめの定義は、以下のとおりです。
職場(職務を遂行する場所全て)において、仕事や人間関係で弱い立場に立たされている成員に対して、精神的又は身体的な苦痛を与えることにより、結果として労働者の働く権利を侵害したり、職場環境を悪化させたりする行為(東京都産業労働局パンフレット内)
大人によるいじめの具体例は、
などが挙げられます。
いじめは、被害者の心身に長期にわたる深刻な影響を与えます。
精神疾患としては、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、不安障害が挙げられます。
また、身体症状として、不眠や食欲不振などを起こす被害者もいます。
加えて、自己肯定感の低下や、対人関係への恐怖を引き起こします。
これらの影響は、単なる一時的なものではなく、後遺症として大人になっても続くことがあり、日常生活や人生そのものに大きな支障をきたす可能性があります。

では、いじめ被害者やその家族がスピリチュアルなものに惹かれやすく、信じ込みやすい理由はどのようなものでしょうか。
以下で詳しく解説していきます。
いじめの被害者やその家族は、大きな不安感や孤独感に苛まれています。
そのような精神状態のとき、人は霊的なものやスピリチュアルなものに答えを求めやすい傾向があります。
正常な精神状態のときは合理的で冷静な人であっても、ストレスが高い状態のときは、物事を正しく理解し、判断することができない場合があります。
不安な状態から立ち直るための鎮静剤的な位置付けで、一時的にスピリチュアルなものを信じるならば、特に問題はありません。
しかし、悪質なスピリチュアルの加害者は、被害者を立ち直らせないほうが長期的に儲けることができるため、あの手この手で被害者の精神的な自立を害そうとします。
その結果、悪質なスピリチュアルの洗脳が解けず、被害が長期化してしまうことがあるのです。
「正常性バイアス」とは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする認知特性のことを指す心理用語です。
いじめの被害者やその家族は、通常時よりもストレスフルな精神状態のため、スピリチュアルなものに興味を惹かれたとき、この「正常性バイアス」がかかりやすいのです。
その結果、スピリチュアルの教えや信念を正当化する情報ばかり探してしまい、自分にとって都合が悪い情報(そのスピリチュアルを批判するような情報)を排除し、悪質なスピリチュアルを信じ込んでしまう場合があります。
米カーネギーメロン大学の研究結果によると、時間的なプレッシャーがかかる状態であるほど、スピリチュアルなものに傾倒しやすくなる可能性が高まるということがわかっています。
いじめの被害者やその家族の中には、
このように「早くいじめ問題を解決したい」と時間的プレッシャーを感じている人も多いです。
このような時間的なプレッシャーを感じている時、人は正常な判断がしづらくなり、物事を鵜呑みにしやすくなってしまいます。
結果として、悪質なスピリチュアルを信じ込んでしまう可能性が高まるのです。

悪質なスピリチュアルに洗脳・マインドコントロールされてしまった場合、そのことに本人や周囲が気づくサインはあるのでしょうか。
以下、特に見落としてはいけないサインをまとめました。
悪質なスピリチュアルの最も大きな特徴は、信仰などを理由に何度も金銭を要求される点です。
具体例としては、高額なスピリチュアル関連商品をいつくも購入させられたり、セミナーへの高額な参加費を何回も支払わされるなどが挙げられます。
このような金銭の要求は、被害者の経済状況が困窮するまで続きます。
スピリチュアル活動について、被害者が何らかの疑問や違和感を覚えたときに気軽に運営者に質問ができないという点も、重大なサインのひとつです。
被害者がマインドコントロールを受けていて、「自分は自由に発言できている」「対等な関係にある」と信じ込んでいるケースでも、客観的に見て、信仰の内容やお金に関する意見・質問ができない場合は、悪質なスピリチュアルである可能性が高いです。
そのスピリチュアルから離れることに罪悪感を覚えてしまうという点も、見落としてはいけない重要なサインのひとつです。
悪質なスピリチュアルは、
「信じることを辞めたら不幸になる」
「辞めたらいじめが再発する」
などと巧妙に被害者を脅し、スピリチュアルから離れることに罪悪感を抱かせます。
悪質なスピリチュアルは、被害者を洗脳・マインドコントロールし、長期的に財産や時間を搾取しようとします。
マインドコントロールとは、社会心理学のテクニックを駆使して、被害者の意思を巧妙に誘導する心理操作のことです。
マインドコントロールの特徴は、被害者の自覚を持たせないまま、その思考や行動をコントロールする点にあります。
そのため被害者は、実際は加害者によって行動を誘導されているにも関わらず、自分の意思で決断したと思い込んでしまうのです。
悪質なスピリチュアルによってマインドコントロールを受けた被害者は、簡単に財産を奪われてしまい、最悪の場合、自己破産や家庭崩壊に追い込まれる場合もあります。


万が一、悪質なスピリチュアルに傾倒してしまった場合、そこから抜け出す方法はあるのでしょうか。
スピリチュアル依存の危険性と、依存からの脱却方法について解説します。
スピリチュアル依存(スピリチュアルジプシー)とは、自分の考えや行動に自信が持てず、スピリチュアルな情報に触れたり、セミナーに参加することに依存してしまい、自分自身の力で考えたり行動したりできない状態のことをいいます。
先述のとおり、いじめ被害者は、いじめが原因で精神状態が不安定な場合が多いです。
そのため、スピリチュアルなものを信じ込みやすく、またスピリチュアル依存に陥る可能性も高いのです。
スピリチュアル依存に陥ってしまうと、悪質な団体から財産を奪われたり、団体の利益のために不当に働かされるなどの被害を受ける可能性があります。
こうした被害を防ぐためにも、悪質なスピリチュアルからは早期に離脱する必要があります。
スピリチュアル依存に陥ってしまうと、日常生活の大部分の時間を費やすことになってしまいます。
まずは、そのスピリチュアルを説く人物から距離を置き、日常生活を取り戻すことが大切です。
いじめの被害者本人やその家族がスピリチュアル依存になってしまった場合、周囲は、絶対に当人の話に批判的になってはいけません。
特に、いじめ被害者当人に対して「それは悪質なものだから早く辞めろ」と頭ごなしに指摘することは避けましょう。
なぜなら、離脱を促したことをそのスピリチュアル団体やリーダーが知った場合、家族や周囲との関係を断つよう指示してくる場合があるからです。
そのため、当人にとって良い聞き手となり、当人を否定しないようにしながら、ゆっくりとスピリチュアルから距離を置くよう促しましょう。
傾倒しているスピリチュアル団体の活動に疑問を持った時は、勇気を持って、その団体の実態を解明することも必要です。
通常、悪質なスピリチュアル団体には、当人に対して隠している情報があります。
例えば、団体やリーダーの財政状況、過去の民事訴訟の記録、刑事告訴の記録などがそれに当たります。
当人は、これまでスピリチュアル団体から意図的に伏せられてきた情報や、当人が目を背けていた組織の実態の情報を知ることで「このまま、このスピリチュアルを信じ続けていいのか」と疑問を持つことができるのです。
そもそも、洗脳やマインドコントロールに陥った人を元の状態に戻すことは、とても困難です。
素人判断で行動すると、かえって加害者への依存を強めてしまう結果に繋がりかねません。
当人の状態を見て、家族や親族の話にまったく耳を貸さないような場合には、カウンセラーなどの心理の専門家に依頼することも検討しましょう。
また、当人が傾倒している団体が違法行為をしていることがわかった場合は、迷わず警察や弁護士に相談し、法的解決を図ることも必要です。
スピリチュアル組織の実態を把握したい場合は、探偵に調査を依頼する方法も有効です。
探偵は、前述したようなスピリチュアル団体の実態調査や、スピリチュアルを説く人物の身辺調査まで行うことができます。
そもそも、現にいじめの被害を受けている状態では、物事を冷静・合理的に考えて判断することが難しいかもしれません。
いくら頭では「このスピリチュアルは怪しいかもしれない」とわかっていても、いじめ被害の只中にいる状態では、どうしても心の拠り所を欲してしまい、悪質なスピリチュアルから抜け出すことは難しいでしょう。
そこで、まずは問題の根本であるいじめ被害の解決を図るために行動するのが有効です。
具体的には、
などが考えられます。
なお、いじめの実態調査の段階では、いじめ被害の証拠を適切に提示することが重要です。
自力で証拠収集が難しい場合は、探偵などの専門家に依頼する方法が有効です。

いじめや悪質スピリチュアルによる洗脳被害に遭ったとき、探偵に依頼することで、以下のような証拠収集を代行・サポートをしてもらえます。
どちらか一方を解決するのでは、根本解決にはなりません。
私たち探偵は、いじめ問題と悪徳なスピリチュアル問題、その双方を解決するべく調査します。
いじめの事実認定の段階で、学校や職場、加害者との間で争いになる場合も考えられます。そんなとき、いじめを裏付ける客観的な証拠があると、より確実にいじめを立証でき、交渉を有利に進めることができます。
いじめの証拠として効果的なものは、以下のようなものが挙げられます。
探偵であれば、このような有力な証拠確保のサポートができます。
また、被害者の行動観察(学校や塾以外の場所での行動)をすることで、証拠収取とあわせて被害者を見守ることもできます。
さらに、近年問題になっている、SNSなどのインターネット内でのいじめを調査することも可能です。
悪質なスピリチュアル団体から被害者を救うためには、加害者であるスピリチュアル団体やリーダーについての正しい情報を集めることが重要です。
ただし、被害者の家族や知人が、何の知識もないままにそのような加害者調査を行うことは、かえって被害を拡大させる可能性があり危険です。
そのため、カスピリチュアル団体やリーダーの情報収集を考えた際は、調査・捜索のプロである探偵に依頼することをお勧めします。
探偵の調査によって、
などの事実を調査することができます。
探偵であれば、スピリチュアルに関する専門知識を有する調査員によって、安全・確実に、当該団体や企業の内実を調査することができます。
また、占い師やスピリチュアルの運営者の身元・身辺調査を行うことも可能です。

当探偵事務所では、いじめ問題や、悪質なスピリチュアルによる洗脳・マインドコントロール被害のケースのご相談を数多くお受けしており、問題解決の実績があります。
いじめの被害を受けて悩んでいる方、悪質なスピリチュアルにのめり込んでしまった家族・友人を救いたいと思っている方は、ぜひ当探偵事務所までご相談ください。
被害を受けた方が安心した生活を取り戻せるよう、当探偵事務所が全力でサポートいたします。
無料相談窓口は、24時間365日、お電話とメール、LINEからお受けしております。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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