今や男女の出会いの手段として一般的になったマッチングアプリですが、多種多様な人々の属性に特化したものも普及してきていることをご存じでしょうか。
高収入者向け、熟年層向け、再婚向けや恋愛以外の目的として飲み仲間、ゴルフ同行者募集といったマッチングアプリが現れてきています。
その中には障害者向けのマッチングアプリが登場しており、障害を抱える人同士のお互いの事情を理解した上での気兼ねない恋愛をすることが可能になっています。
しかし、その障害者向けマッチングアプリを悪用してぼったくりバーに誘い込み、高額請求を行なう悪質な手口を行なったとして男女3人が逮捕されました。
手口としては、視覚障害を持つ男性をバーに誘い込んだ結果、飲食代110万円やネックレス75万円相当を請求したといわれています。
また、この3人は同様の行為を行なうぼったくりグループに所属しており、被害総額は8,000万円にも上るとのことです。
この記事では、障害者向けマッチングアプリ経由で行なわれたぼったくり被害の詳細と、マッチングアプリの使用に際しての注意点を解説します。
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男性をバーに誘い出し“ぼったくり”行為をした疑いで男女3人が逮捕されました。障害者向けのマッチングアプリを悪用して障害者から“ぼったくり”をしたケースも。
(中略)
警視庁によりますと菅原容疑者ら3人は今年1月、男性(20代)をバーに誘い込み、飲食代などとして現金110万円とネックレスなど75万円相当を不当に取り立てた疑いがもたれています。
引用元:障害者向けマッチングアプリ悪用し“ぼったくり”も…手口は 男女3人逮捕(2025年5月15日掲載)|日テレNEWS NNN
今回の障害者向けマッチングアプリでのぼったくり行為は、社会的弱者をターゲットにした卑劣な犯罪行為であると言わざるを得ません。
一体どのような手口で騙しの手口を使ったのかを解説します。
被害に遭ったのは視覚障害を持つ20代の男性で、障害者向けマッチングアプリ上で知り合った女性とやり取りを重ねて、実際に会うこととなりました。
女性からの「気になっているバーがある」という提案を受けて、2025年2月に2人は東京都渋谷区にあるバーを訪れました。
入店後に「飲み放題5,000円」と書かれたメニューを渡されて注文をしていった後に女性からトランプゲームをしようと提案を受けたところ、女性は40杯ものショットグラスに入ったお酒を注文して負けたら一気飲みする流れになりました。
結果的に2人で100杯ほど飲んだ後に支払いをするために伝票を持ってきたところ「40万円」もの請求をされたということでした。
メニュー表をよく見るとショットグラスのお酒は別料金と小さく書かれていますが、店内は薄暗い上に男性の視力も弱いため、この小さな注意書きは読むことができなかったと思われます。
注文内容についても女性が「代わりに確認した」と言い張り、男性に注文内容を確認させないように仕向けていました。
結果的に男性は70万円ほどを店に支払い、退店後の連絡で女性は「後日半分支払う」と伝えたものの、その後連絡は途絶えたといいます。
基本的な内容としてはぼったくりバーの典型的な手口ですが、ターゲットをハンデを抱える障害者に定めている点で卑怯な手口だと言えます。
障害者向けマッチングアプリには、身体だけでなく精神面でも障害を抱える人が登録しており、自分の障害を理解した上で恋愛関係を結べる人を探しています。
普通のマッチングアプリを利用した場合、付き合ったりその先の結婚を見据えるとどうしても、自分自身の抱える障害について理解をしてもらう必要があるものです。
ですが、健常者の人が多く利用する一般的なマッチングアプリだと障害を打ち明けた瞬間に連絡が途絶えるといったことが多く、なかなか障害を含めて自分自身を理解してくれると出会える可能性が少なくなってしまいます。
そういった人々が自分の抱えるハンデを受け止めてくれる場所として、こうした障害者向けのマッチングアプリが誕生した側面があります。
そのため、障害者向けマッチングアプリの利用者は一人一人の相手に対して純粋に向き合う傾向が強く、自分を理解してもらう代わりに相手のこともしっかり理解したいと考えた上で利用している人が多いです。
こうした背景を含めて考えると、今回のぼったくりの手口の卑劣さがより浮き彫りになってくるでしょう。
マッチングアプリで行なわれるぼったくり行為の特徴には明確な特徴があるため、そこを嗅ぎ分けることができればぼったくり被害を避けることが可能です。
見分けられるぼったくり被害の特徴について解説します。
初めて連絡を取ってから実際に会うまでの流れがスムーズ過ぎる場合は、関係進展のためのやり取りをする気はなく、すぐにぼったくりバーに連れ込みたい狙いが考えられるでしょう。
例えばマッチングしたばかりの段階で「明日飲みに行きませんか?」「今日これから会えたりしませんか?」といった誘いの連絡が来た時は、警戒心を強めるべきです。
プロフィールに掲載している写真が魅力的なものであるとすぐに会いたくなってしまう気持ちも出てきてしまいますが、きちんとした恋愛関係を作り上げるにはきちんとした段階を踏むことが必要になります。
真面目な相手を探している方であれば、すぐに会おうとする相手はより避けるべきです。
今回のぼったくりバーの事例でもあるように、デートの約束をした際に明確な行き先を一切の調整なしに指定してくる場合は、共謀するぼったくり店に連れ込む狙いがあると考えられます。
「前から行きたかった店がある」「以前行ったところがとても良かったからまた行きたい」などもっともらしい理由をつけてきますが、ここで違う行き先を提案してもまったく譲歩する姿勢を見せず、断固として行き先を変えない場合はぼったくり狙いを疑っていいでしょう。
もし事前に行き先に関する情報を伝えられたなら、インターネット検索で「(店名) ぼったくり」などの語句で調べると、他にぼったくり被害を受けた証言を調べることができます。
ぼったくりに関する情報が見つかった場合、その相手はぼったくりバーに連れ込む目的がありますので、すぐに連絡を取るのをやめましょう。
「気になってて行きたかった」といった理由で入店したお店は初めて行くお店であるはずなのに、店内の振る舞いがとても初めて来たとは思えないものである場合は警戒を強めるべきです。
明らかに何回もお店に入った経験があることの証でもあり、ぼったくりのターゲットを引き入れる目的で店側と強いつながりがあると見受けられるでしょう。
そのような違和感を感じた場合、入店したばかりの段階であるなら「急用が入った」「明日の用事を思い出した」など言い訳は何でもいいので、店から離れるようにしましょう。
もしお店に入店した時に、店内に男女のペアしかいない場合は警戒を強めましょう。
普通の居酒屋やバーで男女ペアしかいないという状況は考えにくく、数人で入店している人やカウンターで一人飲みしているなどさまざまな人が利用しています。
それなのに男女ペアばかりの店内であった場合は、ぼったくり目的でターゲットを引き入れているお店である可能性が高いでしょう。
このような状況だった場合も、言い訳を作って退店することが身を守るために必要です。
ぼったくりを摘発するのは非常に難しいです。
例えば、詐欺罪に当たるのは、他人をだまして財物を交付させる行為のことを指します。
一方ぼったくりの場合は、店側が客に対して請求書を提示し、客の同意の下で料金を支払うシステムになっています。
そのため、「だます行為」が認められず、ぼったくりを詐欺罪で摘発することは難しいのです。
しかし探偵であれば、以下の調査を行い、摘発するための準備をすることができます。
ぼったくりをされたのは、決してあなたのせいではありません。
一人で抱え込まず、ぜひ探偵にご依頼ください。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ
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