画像・映像合成技術の発達により、従来のCG合成よりもはるかに高精度なコンテンツを生成できるのがディープフェイクです。
従来の合成技術だと、映像に加える合成はそこまでクオリティの高いものではありませんでしたが、ディープフェイクによる合成だとまるで本当にあった映像かのように作り上げることができます。
しかし、この高精度な合成技術を悪用して、著名人の女性の顔を別の女性の性的な写真や動画に合成する「性的ディープフェイク」が横行しており、被害に頭を悩ませる人が多いです。
この性的ディープフェイクのターゲットは成人女性だけに留まらず、青少年であっても顔写真さえあれば合成画像を作られてしまうため、子どもの性被害が拡大する可能性が持たれています。
国会でも子どもが性的ディープフェイクの被害に遭うことに関する質疑がなされ、合成された写真・動画に映る子どもが実在するとなれば児童ポルノとして規制対象になり得るという見解を示しました。
しかし、まだまだ具体的な法規制という段階には至っておらず、個人個人で身を守る意識を固める必要があるのが現状です。
この記事では、性的ディープフェイクによってもたらされる被害やその防止策について、探偵目線で解説します。
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AI技術で子どものわいせつな画像や動画を作り出す、いわゆる「性的ディープフェイク」について、法務省は、作成のもとになった写真などの子どもが実在することが確認されれば、児童ポルノ法上の規制の対象になり得るとの見解を示しました。
生成AIなどの技術で子どものわいせつな画像や動画を作り出す、いわゆる「性的ディープフェイク」をめぐっては、作成できる無料のサイトが国内でも確認されるなどし、対策を求める声が出ています。
引用元:AIで子どものわいせつ画像作成“性的ディープフェイク” 法務省“子ども実在確認で法規制対象に”見解 | NHK | 生成AI・人工知能
高精度な画像・動画の合成を可能にするディープフェイクは近年現れたまだまだ新しい技術です。
しかし、既に著名人による虚偽の発言を生成したり、性的画像を合成するといった加害行為にも転用されていることから警戒を強める必要があることは確かです。
ディープフェイクとは、人工知能(AI)を駆使して従来の画像・映像合成よりも精密な合成コンテンツを生成する技術です。
名称に含まれる「ディープ」とは深層学習(ディープラーニング)の意味で、AIによる深層学習によって既存の画像・映像を解析して新しいコンテンツを作り出すことを可能にします。
ディープフェイクによって生成された画像や動画はまるで本当に撮影されたものかのように見えるだけでなく、音声の合成もとても自然で切れ目のないものにすることができます。
このような高精度な合成技術は映画やドラマなどさまざまな映像コンテンツの発展につながるものではあるでしょう。
しかし、現状ディープフェイクの技術はその呼び名の通り、偽の情報を生み出すことに使われることが多いです。
例えば、各国の国家元首や指導者の映像に偽物の音声を当てはめて偽りのスピーチを作成したり、著名人の発言を偽装して詐欺などの犯罪に転用されるケースがあります。
その中でも著名人の顔写真を別の人物の性的な写真に合成して権利を侵害するコンテンツを「性的ディープフェイク」と指しています。
ディープフェイクの作成には高性能な最先端パソコンなどは必要なく、スマートフォンのアプリや無料ソフトなどから簡単に作成できてしまいます。
近年の技術革新には目覚ましいものがあり、昔なら専門知識や高性能な機械が必要だったことも手のひらの上で完結させることが可能です。
準備するものも簡単で、合成したい顔写真とその写真を当てはめたい性的な画像・動画を用意するだけでいとも簡単に作成できてしまいます。
また、合成した対象の動画がなくても、写真だけで自然な表情や身体の動きを表現することも可能になっていますので、わいせつな映像を作り出すことも容易です。
もちろん、無料アプリやソフトで簡易的に合成するだけでなく、高性能なソフトを駆使すればより一層本物に近い生成物を作成できるでしょう。
もし無料の合成アプリ・ソフトで作れる生成物のクオリティがどんどん向上してしまえば、性的ディープフェイクが今まで以上に横行してしまう可能性は考えられるでしょう。
性的ディープフェイクに自分や知人、親族や子どもの顔写真が合成されていた場合、法的な責任などはどのように問うことができるのでしょうか。
このような生成コンテンツに対する法的問題において、必ず付きまとうのは「表現の自由」との兼ね合いという部分です。
日本国憲法においては誰もが何かを表現する権利を認められており、それが仮にディープフェイクであっても表現の一つに含まれてしまいます。
しかし、表現の自由によって守られるのは「公共の福祉」に反しない表現だけです。
他者や集団の権利を侵害するような表現は、公共の福祉に反していると捉えられます。
性的ディープフェイクにおいては、例え偽物であっても他者の裸や性的な様子を他者にむやみに公開することは名誉毀損であったりプライバシーの侵害に該当することになります。
また、合成に使用した画像や映像に著作権が認められている場合は、著作権の侵害に該当するでしょう。
他にも、他者が作成した性的ディープフェイクが掲載されたURLを公開したり、SNSなどで拡散する行為もわいせつ物頒布等罪に問われる可能性があります。
ですが、現状はこうしたディープフェイクを生成したり公開することに直接罰則を規定している法律は存在していないため、ディープフェイクの生成によって発生する問題に関する関連法での処罰でしか対応できないのが現状です。
自分だけでなく、知人や子どもが性的ディープフェイクの被害を受けないためには、どのような対策を取るべきなのでしょうか。
有効な対策方法を探偵目線でご紹介します。
性的ディープフェイクは、素材となる顔写真が1枚でもあれば作成できてしまうため、SNSなどによる個人情報のある程度の公開が盛んになっている現代だと、被害を受ける可能性を完全に回避するのは難しい部分があります。
しかし、それでもむやみに自分や子ども、知人の顔写真をインターネット上に公開しないことが一番の対策になるでしょう。
仮に写真を上げるにしても、不特定多数に見られる心配のない非公開アカウントやダイレクトメッセージ内など、閲覧に制限をかけた範囲内での公開に留めましょう。
とはいえ、送り先の相手が画像を保存して他の誰かに公開してしまった結果、性的ディープフェイクを作られてしまう可能性をゼロにはできません。
もし既に性的ディープフェイクを公開されてしまった場合、その掲載先であるサイトやSNSに通報を入れてコンテンツの削除を要求することができます。
各WebサイトやSNSでは個人の名誉を毀損する投稿に対する取り締まりを強化しており、今まで以上にいち早い対応を求められる状況が出来上がっています。
そのため、性的ディープフェイクを公開されたとしてもすぐに削除してもらうことも可能です。
しかし、削除されるまでに誰かにコンテンツを保存されてしまえば、先々のリスクが残り続ける不安は生じます。
「自分や家族の写真が性的ディープフェイクに使われてないか」「顔写真が変なことに使われていたらどうしよう」と不安な方は、探偵に調査を依頼することをおすすめします。
Web調査に長けた技術を持つ探偵であれば、膨大なインターネットの中から権利を侵害するコンテンツを見つけ出し、通報までの手筈を整えることが可能です。
性的ディープフェイクを作成した相手に適切な処罰を与え、不安を解消することができるでしょう。
少しでも心配なことがあるなら、まずは無料相談からお気軽にお話を聞かせてください。
子どもの相談事例はまだありませんが、ディープフェイクを用いたリベンジポルノなどのトラブルが増えています。
ディープフェイク画像トラブルの解決は、探偵でも容易ではありません。
問題の画像入手、発信源特定、関連情報収集などの証拠収集を実施します。
真偽判定は専門機関や鑑定ツールを活用しても、完全な断定は困難なケースもあります。
画像の不自然な点を見つけ、名誉毀損、詐欺、風評被害など被害状況に応じた対策(法的措置、警察への相談など)をサポートします。
再発防止のためにはセキュリティ対策強化や情報リテラシー向上も重要です。
技術進化が速いため、探偵は最新情報収集と専門家ネットワーク構築を欠かせません。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ
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