占い師が、自殺教唆の疑いで逮捕されました。
自殺教唆とは、自殺をする決意をしていない人間に自殺を決断させ、死に至らしめる行為です。
占い師が信奉者たちを洗脳していた疑いも浮上。
信奉者は占い師のことを、「創造主」と信じ込まされていたとされています。
占い師による洗脳の脅威と、その実態を探偵目線で解説します。
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4年半余り前、和歌山の静かな海で、2人の男性がコードで結ばれて入水した。
彼らは、ある“サークル”の信者だった。
頂点に坐するのは狂気の「女占い師」。
異様な集団生活と乱婚の果てに、教祖と信者が見た景色とは。
(中略)
「昨年5月中旬、Cさんは恐喝の被害を大阪府警に相談。
府警が詳しく話を聞くと、Cさんは濱田(占い師)と滝谷が寺本さんと米田さんの死に関わっているかもしれないと説明した。
和歌山県警に確認すると、20年8月に2人の自殺事案を扱っていたことが判明。
Cさんがスマホに記録していた音声データにも、濱田らの犯行を示唆する内容が含まれていた」(前出・捜査関係者)
今年1月以降、濱田らはCさんに対する恐喝容疑で二度逮捕され、3月11日、寺本さんと米田さんの死に関連する自殺教唆などの容疑で再逮捕されたのである。
引用元:文春オンライン|「あの2人、ぷかぷか浮いておったぞ」早稲田大卒エリートが“女占い師”に洗脳され、命と会社を奪われるまでの“転落人生”(2025年06月18日)
今回の事件は、占い師による洗脳によって引き起こされたとされています。
洗脳からコントロールに至るまでの、その手口を解説していきます。
占い師は、自らの肩書を「チャネリングカウンセラー」としていました。
チャネリングとは、高次元のメッセージを受け取って、迷いの道しるべとすることです。
カウンセリングを重ねることで相手の弱みを握り、「この人は理解してくれる」と心酔させたところで、気持ちをコントロールしていきます。
「あなたは特別な存在だ」、「この問題はあなたにとって重要だ」といった言葉を繰り返し、相手の自己認識に影響を与えるのです。
暗示的な言葉や、ネガティブな予言を用いて、潜在意識に働きかけます。
そして徐々に「あなたはこれから、この方法を続けるべき」などと思考を誘導し、自己決定権を奪い、洗脳状態に近づけていきます。
「あなたの人生には危機が訪れる」
「創造神である私を信じ、ついてくれば、そんな目にはあわない」
「私はお前の大事な人だって、どうにでもできる」
など、根拠のない物言いを投げかけます。
しかし、すでに洗脳状態にある人間は、この言葉に傾倒してしまいます。
不安を煽り、その解決策として自分の占いや助言を信じさせるのです。
今回の事件で占い師は、次のように供述しています。
「私の交際相手に悪いモノが取りついたので、命を捨てて救いたいと思った。2人にそれを話すと、賛同してくれた」
こうして自殺をしてしまった2人の例を盾に、占い師は新たな人物に脅しをかけていきました。
「同じ目にあいたいか」と、信者に恐怖心を植え付け、その恐怖で相手の思考をさらに奪います。
言うことを聞いていればいい、すべて創造神がなんとかしてくれる、という思考にさせ、孤立化を促します。
洗脳状態に陥ると人はどうなってしまうのか、解説していきます。
自分の意志で行動することが少なくなり、指示されたことのみを行うようになります。
また、思考が硬直化してしまい、特定の教義や思想に固執、他の視点を受け入れなくなることも。
傾倒している対象を信じる自分を疑うことはなくなり、妄信的になっていきます。
洗脳者が提供する情報のみを信じ、外部からの情報を拒絶します。
そうしてさらに孤立していき、洗脳の深みにはまっていくことになるのです。
自分の都合のいいように記憶を改ざんしたり、物事の見方や捉え方が歪んでいきます。
また、二分化思考というものに陥ることがあります。
二分化思想とは、物事を「そう」か「そうでない」かで二分してしまい、どちらでもない状態を「ない」と思い込むことです。
極端な思考で自分を追い込み、どんなに自身を苦しめても緩めることができなくなった思考状態になります。
占い師に自分のことを言い当てられると、「やっと理解された!」と嬉しくなる気持ちもあります。
しかし、それが洗脳されるきっかけとなってしまうかもしれません。
悪質な占い師による洗脳は、個人の思考や判断能力を奪い、最終的には人生を支配する極めて危険な行為であることが示されています。
探偵として洗脳解除のためにできることは、確固たる証拠を集め、被害者の目を覚まさせることです。
頭ごなしに「そんなものを信じるんじゃない」と否定しては、さらにのめりこんでしまいます。
探偵は、洗脳者の実態を調査し、客観的な事実を提示することができます。
まずは被害者が自分で気づくことが先決です。
その後、安全に洗脳グループから退会できるように動きます。
洗脳の具合によっては、精神科や臨床心理士などの専門家への橋渡しも行います。
身の回りに心当たりのある人は、ぜひ一度ご相談ください。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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