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今回は『ネット上の誹謗中傷事例と法的な対処法』というタイトルでお話ししたいと思います。匿名で他人を誹謗中傷している?誰がなんの目的で…についての調査事例を踏まえ詳しく掘り下げてみましょう。
皆さんはインターネットトラブルと聞いてどのようなものを考えつきますか?さまざまな人が情報を発信できるようになった一方で、書き込みによるトラブルや、恐ろしいハッキング集団、インターネット上の危険なウイルスの感染リスクが上がったりなど、個々に危険に晒される可能性が高くなりました。
1990年代と2010年代を比較すると圧倒的にインターネットトラブルは増えています。そのなかでも割合を占めているのがソーシャルネットワークサービス=SNSによるトラブルです。
誹謗中傷は大人同士の間だけで起こるとは限らず、その証拠に子ども間での誹謗中傷もあります。埼玉県である特定の中学生に対して3000件を超える誹謗中傷が匿名掲示板で寄せられました。
あまりにも悪質だった為、『発信者情報開示請求』を行ない、書き込みをした人達を複数特定しました。2人は元同級生、もう1人は元同級生の父親が書き込んでいたそうです。
そもそも誹謗中傷はなぜ起こるのでしょう。「相手が気に入らないから」「つい出来心で」など人それぞれ理由はあると思われます。
ただ、その軽はずみな行為で相手を著しく傷つけたり、自分が致命傷を負うかもしれないことを忘れないでいるべきです。
子どもの間でも誹謗中傷が相次いでいる事実は、情報に関するリテラシーが児童の間でも欠いていることを意味します。教育の現場で誹謗中傷などのモラルに関する教育・指導が仮に行き届いていたとしても起こり得ることですから、根本的に誹謗中傷を社会全般に解決するということは難しいことであると言えます。
誹謗中傷は、どのような法律に触れるのでしょうか?自分も知らない間に誹謗中傷していないように気をつけておきたいですし、他人の、自分への誹謗中傷に気が付いて対処することも重要です。下記の法律を一緒に考えてみましょう。
名誉毀損罪(めいよきそんざい)とは、日本の刑法230条に規定される犯罪です。人の名誉を毀損する行為をその内容とし定義づけています。
刑法上の名誉毀損罪を構成する場合に民法上の名誉毀損として不法行為になることも多いのですが、これはつまり刑法で扱われる判例が民事として扱われ、刑事責任は問われないケースの事を指しています。
公然とある人に関する事柄を摘示し、その人の名誉を毀損した場合に成立されます(刑法230条1項)。法定刑においては3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金です。
ネットや現実社会で誹謗中傷が第一につながりやすい問題が『名誉棄損』です。名誉棄損による被害者への慰謝料請求も行なわれた判例が実際にあります。
慰謝料請求のおおよその目安は原告が一般人の場合10万~50万円、事業主への慰謝料請求は50万円~100万円と言われています。
侮辱罪(ぶじょくざい)は、事実を摘示しないで、公然と人を侮辱することを内容とする犯罪です(刑法231条)。侮辱罪の法定刑は、拘留又は科料であり、刑法典で規定されている犯罪において、法定刑が最も軽いです。
法定刑に拘留・科料しかないことから、幇助犯・教唆犯は処罰されません(刑法64条)。また、犯人隠避罪(刑法103条)の客体となる犯人にも当たらないとされています。
個人のプライバシーに関する情報をネット掲示板やホームページ、電子メールなどで不特定多数の人に流すなどをしても侮辱罪が成立します。
事実の情報を提示した上で著しく社会的評価を低下させた場合が「名誉毀損」です。また事実の情報を伴わず単に相手の人や事業等を否定し社会的評価を低下させた場合が「侮辱」にあたるとされています。
一見リスクがないような無料トライアルに申込むことで、説明が十分にされていない料金が請求される、定期的に商品が供給される契約をしたことになるといったトラブルが生じている。
さらに、誤解を生むチェックアウトプロセスで、消費者が意図せず他の製品を購入してしまったことなどが報告されています。
困ったこと、問題だと感じたことがある利用者の割合は52.7%。そのなかで消費者が困ったこと、問題に思った事をパーセンテージにして消費者庁のHPに記されている。
まず個々の問題視として「暴言や誹謗中傷等のコメントの投稿」(25.8%)、「性的、 暴力的、差別的、残虐な表現等の配信」(15.4%)、「個人を特定できる情報の配信」(11.3%)、「暴言や誹謗中傷等のコメントの投稿」は若年層ほど挙げる比率が高い、とされています。
SNS利用者のうちトラブル経験者は年代別では、20代以下が約3割で最多。トラブル経験の内容は、書き込みによって誤解を生じた、他人を傷つけた、喧嘩になった、といったものが多くなっているとされています。
主なトラブルのケースは、『自分は軽い冗談のつもりで書き込んだが、他人を傷つけてしまった。』とか『ネット上で他人と言い争ったことがある』だったり、『自分は匿名のつもりで投稿したが、他人から自分の名前等を公開されてしまった』といったトラブルが多く挙げられています。
近年SNSでの誹謗中傷に悩まされている人は少なくありません。女子プロレスラー・木村花さんも残酷な誹謗中傷の被害者です。木村さんはひどい誹謗中傷に耐えきれず、22歳の若さでこの世を去りました。
また、6月にはジャーナリストの伊藤詩織さんが自身の性暴力被害について「枕営業」とするイラストを書いた漫画家らの提訴を始め、インターネットでの誹謗中傷の議論が進んでいます。
女性活動家に対するヘイト思考は凄まじいもので、なかには死体の写真を送り付けられた女性もいたそうです。
現状、悪質な投稿に対して、被害者が声をあげるためのハードルは非常に高く、匿名性の名のもとに人権侵害がやりたい放題、さまざまな発言が野放し状態になっていると言えます。
その誹謗中傷から社会運動家を守ろうとジャーナリストや弁護士の有志が立ち上げたのが「SNSにおける労働運動・社会運動に対するヘイト攻撃に対抗するネットワーク(SNSOS)」です。
SNSOSは「発信者情報開示のための要件を下げ、開示までのプロセスも簡略化する」、「プロバイダ事業者に対する罰則や説明責任の強化」、「公益通報者保護の強化」を求めており、ジャーナリストの伊藤詩織さんも署名をされたそうです。
SNSは誰でも匿名で意見や情報を交わし合えるため、つい軽はずみな投稿してしまう人が多くなります。その言葉が独り歩きして、炎上を招いたり、名誉を傷つけるということ考えないで発言することで大きなダメージを受ける人が必ずいます。次の事例は、そんな誹謗中傷の被害事例です。
ご依頼者様: | 30代/男性 会社員 |
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ご依頼内容: | 誹謗中傷調査 |
ご依頼理由: | インターネット上で自分への誹謗中傷が炎上したため |
調査レポート: |
飲食店の経営者の方からのご相談です。インターネット上で店の匿名の元フォロワーからの事実無根の誹謗中傷の被害に遭っているということでした。 最初は無視していましたが、その投稿が炎上してしまい、店の評判はすっかり落ちてしまいました。店のサービスだけでなく私自身の地位や名誉を傷つけるものもあり、もう我慢の限界でした。 相手を特定することができないため、なす術がなく困り果てていたところ、こちらに相談に乗っていただき『名誉棄損』で罪に問われることを教えていただきました。 犯人を特定し警告したことで、相手も自分の罪の大きさを自覚したようです。ネット上でも誤解が解け、客足が戻ってきています。大変助かりました! |
誹謗中傷に実際に巻き込まれてしまった際の調査を弊社では行なっております。当事務所で行なう調査ではインターネット上の誹謗中傷特定や近隣住民の誹謗中傷被害を記録に残します。
Q
インターネット上の誹謗中傷の犯人を特定するために、情報開示請求はしてもらえるのか?
A
コンテンツプロバイダから投稿に関するIPアドレスの開示を受けた上で、経由プロバイダに対し投稿者の氏名・住所等を開示請求を行ないます。情報開示請求を行なうには、誹謗中傷の特定が必要になりそのための調査となります。
Q
誹謗中傷をした人の名前をTwitterで晒してもいいの?
A
反撃したいという気持ちがあっても、個人で相手に制裁を加えるような行為をするべきではありません。相手に対して不法行為をしたということで、反対に不利な立場に置かれる可能性があります。
Q
ファミリーセキュリティには専属の弁護士がいるの?
A
顧問弁護士がいます。探偵業務で弁護士が必要となるケースは多いので、一般的に多くのネットトラブルは経験しているかとは思います。ご紹介が必要な方にも対応させて頂いております。
Q
発信者情報開示請求の場合、弁護士費用が別途必要になるんじゃないの?
A
弁護士費用は別途かかります。住所氏名の開示訴訟の平均費用は、30万~40万円とされています。探偵が行なう所在調査は15万~25万円、SNSなどの情報から住所氏名から割り出すことも可能ですが情報次第なので不確定要素が含まれます。
Q
誹謗中傷があった場合、その文章の削除依頼は誰に言えばいいの?直接SNSのヘルプセンターに言うべき?
A
サイトの管理者へ削除の要請をする方法があります各サイトに用意されている、削除申請用フォームから、誹謗中傷を受けた本人でも削除の要請を行なうことができます。
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