2020年4月18日に福岡県糟屋郡篠栗町で当時5歳だった男児が死亡したことが、2021年3月に事件として発覚しました。
当初は男児の母親の保護責任問題かと思われましたが、捜査の結果、裏にはママ友による洗脳被害があることが判明。
男児を餓死に至らしめたのはママ友の洗脳が要因と証明され、ママ友には男児の母よりも重い刑罰が下されました。
洗脳被害がここまで深刻になった背景としては、ママ友社会特有の閉塞感があると言われています。
この記事では、福岡5歳児餓死事件の背景にある洗脳について、探偵目線で解説します。
執筆者 / 池田 2024年2月28日
1989年生まれ。知人が嫌がらせ、ストーカー被害に遭い、問題解決を手伝う。蓄積したノウハウを依頼者のために役立てる。実績豊富な探偵として活躍中!監修者ページ
すべての始まりは、3児の母であった碇利恵被告が別の幼稚園から転園したばかりの赤堀恵美子被告を、ママ友交友の輪に引き入れたことでした。
ここから、碇被告は赤堀被告の人心掌握の術中にはめられてしまいます。
2人の交流が始まってすぐに、赤堀被告は「あなたの悪口を言うだけのママ友LINEグループがある」と碇被告に伝えました。
同じ内容を繰り返し伝えることで碇被告は人間不信となりましたが、赤堀被告は「私だけは味方」と伝え続けました。
他にも、「他のママ友が裁判を起こそうとしているけど、一緒に頑張ろう」など架空のトラブルをでっち上げ、その度に周囲からの離別と赤堀被告への依存を画策。
碇被告は、赤堀被告しか頼れる存在がいない状況にどんどん追い込まれていきました。
また、励ます言葉をかけてから一転して罵倒や怒鳴りつけるなどの行為を加えるなど、飴と鞭でより心身掌握を進めました。
他にも、暴力団との繋がりをほのめかすなど、心理的な圧力もかけていったようです。
赤堀被告は、碇被告にママ友だけでなく、親族とも分断させようと画策しました。
だんだんと碇被告の行動への制限も強まり、親族への連絡も規制されるように。
さらには碇被告の夫の浮気も偽装し、「児童手当で生活できるから養育費はもらわなくていい」と伝えて離婚させました。
碇被告には生活保護や児童手当で毎月25万円ほど入りましたが、すべて離婚の裁判費用という名目で赤堀被告に徴収されてしまいました。
搾取された合計1000万円ほどのお金は、すべて赤堀被告の私腹を肥やすために使われたとのことです。
他にも、赤堀被告が入信する宗教に碇被告も入らされたといわれています。
赤堀被告は「裁判の費用捻出のために質素な暮らしをする必要がある」と、碇被告と3人の子供に過酷な食事制限を科しました。
また、赤堀被告により「しつけ」と称した子供への虐待行為もあったとのことです。
他にも、「ボスのグループから監視カメラ12台で監視されている」などのでっち上げによる脅しで碇被告の行動を制限しました。
そして2020年4月18日に5歳の三男が餓死しましたが、その葬儀にも碇被告には親族を呼ばせず、葬儀のための公的扶助も赤堀被告に奪われました。
三男の死亡時にも、碇被告は警察に通報せず赤堀被告にまず最初に報告したとのことです。
遺体のかたわらで、碇被告は赤堀被告に入信させられた宗教のお題目を唱え続けていたといいます。
碇被告の三男の体調が良くないことを疑念に感じた児童相談所は、2019年から訪問を16回実施していました。
しかし、ほぼすべてを赤堀被告に妨害され、三男には2020年3月の1回しか対面できませんでした。
三男の死亡時、遺体の体重が同年代の子供の平均を明らかに下回っていることを不審に思った警察は捜査を開始。
2020年6月の事情聴取で、碇被告は赤堀被告に暴力団との繋がりなど一切なく、元夫との裁判もすべてでっち上げだと知らされました。
そして2020年12月に、赤堀被告はまず詐欺容疑で逮捕。
その後、碇被告と赤堀被告ともに保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されました。
裁判の結果、碇被告には懲役5年、赤堀被告には事件を主導したことで懲役15年の刑が確定しました。
赤堀被告が碇被告を支配した一連の行動は、すべて洗脳の手口です。
元々人を信じやすかったという碇被告の性格が、赤堀被告の目論見と嚙み合ってしまったといえるでしょう。
どのような洗脳の手口が使われたのか、解説していきます。
赤堀被告は、碇被告との間に主従関係を作ることを目指しました。
そのためには、周りに頼れる人間が赤堀被告しかいない状況を構築する必要がありました。
「他の人から悪口を言われている」という嘘で周囲から断絶させ、「暴力団と繋がりがある」という嘘で自らの権威性をアピールしました。
結果として、赤堀被告の言葉が絶対という状況になり、碇被告は心理的に逆らうことが困難になってしまいました。
また、宗教への入信により、宗教内での上下関係も赤堀被告と碇被告の主従関係を強化したといえます。
裁判にて、赤堀被告が碇被告を洗脳した目的が供述されることがないまま、判決が言い渡されました。
推測するに、目的は碇被告からの金銭搾取でしょう。
碇被告に過酷な生活を強いる傍ら、巻き上げた合計1200万円もの大金を使ってブランド品購入や旅行を繰り返す生活をしていたと言われています。
お金を得る口実として、赤堀被告が碇被告にまつわる問題解決を代わりに引き受けるという構図を作りました。
元夫との裁判という大きな出来事を、赤堀被告が代行するというものです。
しかし、裁判そのものが赤堀被告のでっち上げであるため、結果的に碇被告は赤堀被告の書いたシナリオの上で動いているだけの状態となってしまいました。
元夫との離婚や親族との連絡拒絶を指示したのは、碇被告が赤堀被告以外の言葉に耳を傾けないようにするため。
それにより、赤堀被告が碇被告と3人の子供の生活にまで強い影響をおよぼすようになっていきました。
食事も赤堀被告によって管理され、赤堀被告の支給する分の食事しか食べられない状況でした。
長男と次男は小学校で給食を食べていたことで何とか命を繋ぎ止めましたが、幼稚園を退園させられた三男にはほぼ逃げ場がありませんでした。
また、三男の体調が悪化し歩けなくなった時にも赤堀被告は「仮病だ」と言い放ち、病院にも行かせなかったといいます。
三男が亡くなった時も真っ先に赤堀被告に連絡したとのことから、強い支配関係が構築されていたと推測できます。
もはや、生殺与奪の権をすべて赤堀被告に握られていたとも言えるでしょう。
ママ友同士の関係が、なぜ洗脳による凄惨な事件にまで発展したのでしょうか。
その裏には、ママ友社会特有の閉鎖性が関係しています。
ママ友とは、子供が同じ学校に通う母親同士による結びつきです。
家庭の中で「母親」という役割は自分だけしかいないため、時には孤独感を感じることも。
「母親」としての苦労を分け合える相手を求めて、同じ境遇に置かれた母親たちが寄り集まるのです。
時として、一つ誘いを断った後から急に孤立させられることもあるでしょう。
中には、ママ友同士のLINEグループにて子供が寝静まった深夜に話が盛り上がり、その話に参加しなければ翌日以降無視されるなどのケースも。
外からではわからない、息苦しい内部事情を抱えるのがママ友同士のコミュニティといえます。
このような息苦しさを招く背景としては、母親たちの社会経験不足にあります。
ママ友グループの中には、数年に渡って社会人経験を積んだ人もいれば、特に社会に出ることなく家庭に入る人もいます。
そのため、価値基準を学生時代からアップデートできず、いわゆる「女子同士の陰湿な関係」を構築しがちです。
また、社会経験がないために判断基準が出来上がっておらず、相手の言うことをそのまま受け入れてしまうことも。
よって、知らないことをまるでスポンジのように吸収してしまい、嘘の情報でも信じてしまいやすいです。
ママ友同士の閉塞感に溢れた関係も、簡単には断ち切れない事情があります。
第一に子供同士の結びつきがあるため、子供同士の関係がある限り親としてはどうしても関わりを持たなければならない瞬間があるでしょう。
また、子供の通う学校行事でも親の手が必要な瞬間があり、その際に他のママ友との関わりが必要になります。
子供のことを考えれば、どんなにママ友との関係が辛くても簡単に離れられない実情があるといえます。
ママ友に関するお悩みは、探偵にまでご相談ください。
閉鎖的な空間であるママ友グループでは、周囲からは見えない嫌がらせ被害が発生する可能性が考えられます。
場合によっては、不在時にママ友同士の誹謗中傷のターゲットにされているなどの被害もあるでしょう。
エスカレートすれば、子供にまで被害がおよぶことも。
ママ友グループの実態調査をするなら、探偵にご相談ください。
ママ友の周辺を調査し、嫌がらせや誹謗中傷の証拠を掴みます。
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