2017年2月、女優の清水富美加さんが宗教団体に出家すると報道されました。
将来の活躍が期待された若手女優の突然の発表は、世間に衝撃を与えました。
その後は宗教上の法名である千眼美子に改名し、教団職員となりながらも女優業を継続中です。
千眼さんの出家は「洗脳によるもの」とする意見もありますが、果たしてそうなのでしょうか。
この記事では、千眼さんが出家に至った背景や、宗教に傾倒するリスクを探偵目線で解説します。
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清水富美加(以下、現名義の千眼美子)さんは、なぜ宗教団体への出家を決意したのでしょうか。
その背景には、芸能活動の裏にあった劣悪な環境や、元々の宗教団体との距離感が関係しています。
千眼美子さんが宗教への出家を決意した事情を解説します。
千眼さんは中学2年生だった2008年に渋谷の路上でスカウトされて、女優・モデルとしてデビューしました。
高校生になると特撮ヒーロー作品へのレギュラー出演を契機に、仕事量もどんどん増加することに。
朝の時間帯の人気ドラマ出演も果たし、またたく間に人気若手女優としての立場を確立しました。
しかし、出家後に出版した暴露本の中で、千眼さんは当時の劣悪な労働環境を明かしています。
「月5万円だった」という給与にも言及。2011年から12年にかけての「仮面ライダー(フォーゼ)」の撮影で酷使されたとし、「実家だから家賃も食費も支給されませんでした」と訴えた。
これに対して当時の事務所は住居代・光熱費・洋服代を別で払っていたと否定しています。
千眼さんは暴露本の中で、水着姿のDVDを出した際や出版に伴うイベント時の心境も赤裸々につづっています。
「死にたいと言い始めたのは、水着のお仕事をするようになった15歳の頃」と、水着でのDVD撮影が嫌だったことを強調。
「水着の仕事って言ったって、おかずですよね。露出の多い水着を着て、ベッドに転がされたり」としており、自慰行為の対象となることへの嫌悪感を示した。
ファンと交流の場であるはずのDVD発売イベントについても「握手会で、手がぬるぬるしてるおじさんとかに、すっごい気持ち悪い握手のされ方をする」「この見知らぬおじさんが私の写真やDVDを観(み)て家で何してるんだろう」と衝撃的な文章が続いた。
苦手な仕事にも向き合いながら、当時のマネージャーにその苦しい心境を吐露していたとのことです。
しかし、それで仕事内容が改善されることはなく、給与は増えるものの苦しい日々が続いていました。
暴露本の中では事務所の社長批判も交えつつ、過去の自殺未遂も告白。
苦しい生活のなかで芽生えた決断として、出家に行き着きました。
千眼さんの宗教団体への入信は寝耳に水だった人が大多数のため、これまでの彼女の活動と結びつかないとする人たちも多かったようです。
しかし、千眼さん自身は6歳頃には既に入信済みとのことでした。
そのため、「洗脳なのではないか」という意見については、暴露本の中で「洗脳されてるのではなく、されるのを選んだ」「洗脳上等だよ」という言葉で否定しています。
また、出家する以前から宗教団体の教えについて「疑ったことは一度もない」との証言も。
千眼さんは出家後、宗教団体が運営する芸能事務所に移籍し、女優業を継続しています。
千眼さんは幼い頃から入信していましたが、もし大人になってから宗教に傾倒した場合は自らだけでなく周囲にもリスクが生まれます。
自分や知人が宗教に入信し、入れ込んでしまった場合のリスクをお伝えします。
宗教団体は、信者から献金をもらうことで活動を維持し、施設の拡張を行なっています。
金額はそれぞれの宗教で異なりますが、宗教によっては数千万円を払う信者がいることも。
献金とは寄付のようなものですが、なかには脅しのような言葉をかけて高額の献金を払わせる宗教もあるようです。
また、霊やスピリチュアル的存在を匂わせて献金を迫ったり、商品を法外な金額で買わせる「霊感商法」が行なわれることも。
宗教に傾倒していると払わなければならない義務感を抱いて、高額であっても払ってしまうことが多いです。
結果として、経済状況が圧迫されて生活が立ち行かなくなることがあるでしょう。
搾り取られるだけで、その後何もリターンがないパターンが大多数です。
宗教に支払う献金が自分で用意できなくなると、周囲の人を勧誘して献金を払う人を増やそうとします。
親族・知人の境界もなく声をかけるため、勧誘を嫌悪する人は周りからどんどん離れてしまうでしょう。
家族や仲のいい人たちはできる限り説得を試みるかと思いますが、改心が難しいとなると相手にしなくなってしまいます。
周囲から「触れてはいけない人」扱いをされてしまった時の孤独は、耐えがたいものになるでしょう。
宗教に入れ込みすぎてしまうと、価値基準はすべて入信する宗教が基準になってしまいます。
宗教側にメリットがある行動のみを選択するようになり、宗教側の幸せが自分自身の幸せへとすり替わっていきます。
結果として、自分自身の自我も無くなってしまい、宗教側のための行動しかしなくなります。
その状態になってしまった場合、宗教側に都合よく操られているだけだと本人が気づかない限り、抜け出すのは難しいでしょう。
宗教から無理矢理引き離してしまうと、より強い結び付きを感じて離れなくなってしまい逆効果です。
あくまで本人に「宗教は不要」だと思わせることが、宗教を止めさせるために必要になります。
宗教調査において重要なのは、その宗教の「実態を把握」することにあると考えます。
探偵独自の調査で宗教の実態を明らかにすることが可能です。
前述のように宗教に傾倒する際に注意すべき点はいくつかあります。実際にトラブルとして多くご相談をいただくているのも事実です。
しかし、間違えてはいけないのが宗教=「悪」と決めつけてはいけないということです。
現在日本には約22万の宗教団体が存在していると言われ、そのすべてに教義が存在しているはずです。
人々の心の拠りどころとなり、救いやストレス緩和などの重要な役割を担っている宗教も存在しているのも事実です。
そういった側面から、実態はわからないが「宗教だから」という理由だけでそのもの自体を否定することは誰にもできません。
その宗教の教義や勧誘の目的、手段など、実態を把握することでその後の本人との向き合い方や有効な解決策が見出せるのではないでしょうか。
物事には必ずふたつ以上の見方があります。そして、その物事の見方を決めるのはその当事者次第です。
事実を知ることが解決の第一歩です。
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執筆者 / 池田 / 2024年9月2日更新
1989年生まれ。知人が嫌がらせ、ストーカー被害に遭い、問題解決を手伝う。蓄積したノウハウを依頼者のために役立てる。実績豊富な探偵として活躍中!監修者ページ
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