探偵事務所との契約には、さまざまな問題が発生する可能性があります。
契約内容が曖昧であったり、料金が予想以上に高額だったりするといった問題が生じることがあります。
契約トラブルを避けるためには、事前に探偵事務所の信頼性や評判を調べ、契約書の内容を十分に確認することが大切です。
本記事では、探偵事務所との契約トラブルを避けるために知っておくべき情報を解説します。
2024年4月9日更新 / 執筆者・監修者 / 山内 和也
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者ページ
探偵の業務内容に「詐欺被害金の回収」は行ないません。もし、詐欺被害に遭ったらどのような調査が必要なのかを事前に確認してください。
詐欺師の特定以外の業務を「できます!」「お金を取り戻せます!」などと説明する探偵社には気を付けてください。
ご依頼者様: | 30代/男性 会社員 |
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ご依頼内容: | 高額請求の返金のための調査 |
ご依頼理由: |
意図せずに、アダルトサイトに登録され、高額請求されるトラブルに遭い、ネットで検索した探偵社の「無料相談」とある窓口に相談したら「支払いを必ずストップできます」「絶対に解決します」と言われました。 加えて「放置すると勤務先にも影響がある」「裁判に発展するする可能性もある」と不安をあおられ依頼することに…。携帯電話でのごく簡単な説明だけで、あとはメールで確認し契約書を交わしました。料金は10万円以上。 「手持ちがない」と伝えると、先に前金だけでも支払うように言われ送金しました。4日後にビルの写真2枚と、アダルトサイト業者自体の確認は取れなかったとの報告書が届きました。 改めて契約書をよく読むと、依頼した内容が「企業調査」だと知りました。解決できると言われて契約したのに、説明と違うので返金してほしいと思います。 |
消費者庁では、「アダルトサイトの請求トラブルを解決する」「損害を取り戻せる」「被害金が取り戻せる」「消費者トラブル解決」と言って契約を結ばせる探偵業者に注意を払うよう、注意喚起しています。
加えて、なかには「探偵とのトラブル解決」をうたう業者まで存在し、探偵業者とグルとなって運営されている悪質極まりない業者も実在しますので注意が必要です。
二重に問題を抱えてしまわないためにも、探偵とトラブルになった場合は、国民生活センター、あるいは無料で相談できるお近くの法テラスなどを通じて弁護士へ相談するのが良策でしょう。
探偵との金銭トラブルが発生した場合、まずどのようなサービスが提供され、どのような料金体系があるかを確認し、請求された料金が適切かどうかを判断します。
契約書には、探偵のサービス内容や料金、支払い期限、キャンセル料金などが記載されています。契約書をよく確認し、不明点があれば探偵に問い合わせましょう。
探偵から送られてきた請求書を確認し、請求された料金が契約書に基づいているかどうかを確認しましょう。
探偵業法(第8条)「金銭の概算額」とは、探偵業務の対価を含む契約に伴い依頼者が支払わなければならない一切の金銭の概算額をいい、一般的な料金体系等のほか、依頼にかかる探偵業務にかかり得る最大限の総額、その算出の基礎となる個別の料金設定等を詳細に明らかにする必要がある。
二項(契約書)第6号関係:契約に係る探偵業務にかかる具体的な金額を確定しておくことが望ましいが、調査の結果や過程如何によって金額が変動し得ることが契約において留保されている場合(例:成功報酬、実費費用請求など)には、当該契約に係る探偵業務にかかり得る最大限の総額、その算出の基礎となる個別の料金設定等を詳細に明らかにする必要がある。
探偵は探偵業法で定められた範囲内で活動しており、法に触れる調査は受けられません。まずは、この点が大前提です。
探偵業者は、事前に依頼者からの相談内容から予備調査を過程を経て、本調査に入ります。
調査の質は、事前に「解決事例」「調査方法」「経験年数」などを確認してトータルで判断するしかありません。
どのようにして調査を進めていくのかが曖昧だったり、調査プランに自信がないと感じたら、問題に対する経験値は少ないと判断して良いかと思います。
探偵業者では報告書が「商品」という位置づけです。時間、文章、写真といった内容がわかりやすく記載されているかが最も重要です。
調査報告書には、特に決まった「書式」はありません。また、裁判などに証拠として提出するケースもあるので、一般の人でも理解できる文章で作成されているか、加えて、それらを裏付けるが証拠写真や動画などが添付されているかがポイントです。
ご依頼者が希望する場合には、調査の進捗状況をお知らせし、最終的に調査結果は書面にて作成。加えて、撮影した証拠写真や動画などは、書面・CD・DVDなどで提出するのが一般的です。
調査報告に関しては、次のような注意点があります。
これらを全て口頭で済ませようとする探偵事務所とは絶対に調査依頼しないでください。
契約書を確認する:
契約書には、報告書の提出期限や報告内容が記載されています。契約書をよく確認し、報告書についての細かい要件を明確にすることが大切です。
報告書の内容を確認する:
探偵から送られてきた報告書をよく確認し、契約書に基づいて報告されているかどうかを確認しましょう。
探偵事務所の調査目的とは、「問題の解決」であり調査後のアフターフォローが充実しているのか確認してください。
アフターサービスを行なってない経験不足の探偵事務所に依頼すると、ご依頼者に不適切なアドバイスを行ない、かえって問題をこじらせてしまう場合があります。
最後まで問題解決への的確なサポートができる探偵事務所に依頼しましょう。
探偵業者がご依頼者と調査契約を交わす時は、「探偵業法」「消費者契約法」「特定商取引法」の3つの法令が守られているか、ご確認ください。
契約の際には「調査委任契約書」「重要事項説明書」「調査結果の利用目的確認書」の3つが交わされているか確認しましょう。
依頼者と探偵業務を行なう契約を締結しようとするときには、調査目的確認書を交付してもらわなければなりません。また、契約を締結した時には遅滞なくその内容を明らかにする書面を交付することが求められています。
書面の交付を受ける義務:依頼者と契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、その業務に係わる調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面(「誓約書」または「調査目的確認書」)の交付を受けなければなりません。(探偵業法第7条)
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行なう契約を締結したときは、遅滞なく下記の内容を明らかにする書面を交付しなければなりません。(探偵業法第8条2項)
ネットで、広告しているからといって優良とは限りません。広告を出すには、高額な広告費用が調査料金に上乗せされているとも考えられます。
クチコミサイト、比較サイトランキングの順位、評価、口コミも参考程度にしてください。
業者への評価やクチコミが掲載されていますが、作為的に好評価の口コミを掲載し、自身の探偵業者に誘導する目的で行なわれていることもあります。
また「探偵を紹介」と掲載しつつ、経営者が同じ業者を紹介するという悪質なケースも多発しています。
誇大広告に惑わされないためには、以下のポイントに注意することが大切です。
以上のポイントに注意し、広告内容を客観的に判断することが大切です。
また、信頼性の高い企業やサービスを提供する探偵社を選ぶことも重要です。
人生において探偵業者や関わることなど、一度あるかないかという方がほとんどでしょう。
ただでさえ精神的にも負担を抱えているうえに、調査の依頼をすること自体、勇気のいることかと思います。
そんな状況だからこそ、探偵社選びには慎重にならざるを得ません。
以上の注意点をクリアしたうえで、「それでも不安」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、業者そのものを前もって調べる手法もあります。
過去に行政処分など受けていないか確認することができます。警視庁や各都道府県警のHPに「探偵業法に基づく行政処分」として、処分から3年間、公表されています。 また、探偵業界には全国的に調査業界団体が存在し、“信頼の目安”とされていますが、その団体のほとんどが「一般社団法人(株式は発行しないが営利法人として収益事業や共益事業なども行なうことができる法人)」です。 2008年の公益法人制度改革により、業界団体と監督官庁との癒着を防止し、民間の活力を社会貢献活動に生かす目的で、従来の民法に基づく「旧社団法人の解散」と「監督官庁制度の廃止」と、新しく一般社団法人制度の実施が定められました。 監督官庁制度が廃止されているにも関わらず、「内閣総理大臣の許可を受け、警視庁(あるいは警察庁)を監督官庁とする組織として公認された法人です」という表記がなされている団体が存在します。 こういった記述は虚偽であり、このような表記を行なっている団体には注意が必要です。
ご自身でできることはきちんと確認し、探偵業者選びには失敗しないでいただきたいと切に願います。
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