「合鍵を作るには元となる鍵がなければいけない」という認識は多くの方が持たれていることと思います。
しかし、「鍵番号だけで合鍵が作れる」という事実を知る人はまだまだ少ないのが現状です。
鍵番号さえあれば、元となる鍵がなくても合鍵が作れて、住居内にいつでも侵入可能になってしまいます。
住居侵入被害全体の中でも、合鍵を用いた手法は多くの割合を占めているため、対策は急務です。
鍵が複製されたこと自体で警察は動かないので、住居に侵入される前に対処したい場合は探偵への相談をおすすめします。
この記事では、鍵番号による合鍵複製の実態や被害事例、取るべき対策をご紹介します。
執筆者 / 藤井 ケイティン 2024年1月9日
1991年生まれ。オンライン上のトラブルや盗聴盗撮などの機械系調査を専門とする。机の上には常時スナックスティックが置いてある(笑)監修者ページ
複製元である鍵の現物がなくても、鍵番号さえあれば合鍵は複製できてしまいます。
まずは鍵番号の仕組みについて理解を深めましょう。
そもそも鍵番号とは、鍵ごとに微妙に異なる刻みの深さ・形状・角度を記録した設計図の役割を持つものです。
各メーカーごとに対応する番号が存在しており、それぞれのメーカーごとの規格が記載されています。
大元となる純正キーと合鍵では、鍵番号にも違いがあります。
基本的には鍵番号の長さによって、純正キーか合鍵か見分けることが可能です。
昔は世帯数も少なかったため、違う扉の鍵でも同じ形状になっていることが多々ありました。
しかし防犯意識の高まりにより、すべて異なる仕様にするため膨大な鍵の形状パターンが必要となることに。
鍵業者が鍵の複製をしやすくなるように、鍵番号が必要となったのです。
合鍵は、1000円ほどの費用で5分もあれば簡単に作成できてしまいます。
これは本当に合鍵を求める人からすればありがたいことですが、不当に鍵を入手しようとする人にとっても好都合です。
また、多くの鍵作成業者では、受付時に本人確認をしていません。
そのため、番号さえ伝えてしまえば他人でも簡単に合鍵が作れてしまう状況が生まれてしまったといえます。
そもそも鍵番号と個人を結びつける仕組みが存在しないため、本人確認したくてもできないのが現状です。
鍵番号によって複製された合鍵を用いた事件は、過去にいくつも発生しています。
主な犯行は住居侵入や窃盗ですが、今後さらにエスカレートした犯罪が起こる可能性も否定できません。
合鍵複製による犯罪の実情を理解して、対策に活かしましょう。
鍵に記載された番号を基に、合鍵を作って女性宅に侵入したなどとして、愛知県警千種署は6日、名古屋市千種区、無職の男(44)を住居侵入と窃盗の両容疑で逮捕した。
発表によると、男は2021年2~4月、元同僚の女性宅に2回にわたって侵入し、下着など5点(時価計4000円相当)を盗んだ疑い。「一方的に好意を寄せていた」と容疑を認めている。
男は元勤務先で、同僚の女性のかばんに入っていた鍵を隙を見て撮影し、鍵番号から合鍵を作成していたという。
(引用:元同僚女性の鍵、スキ見て撮影…鍵番号を基に合鍵作成・女性宅に侵入して下着盗む : 読売新聞)
鍵番号を入手される場面は、日常の中にも多く存在しています。
学校や職場で自分の目が届かない瞬間があれば、鍵番号を記録されてしまう可能性もあるでしょう。
鍵も貴重品として離さず持ち歩くことが、有効な対策になります。
久留米大学医学部の学生だった37歳の男は、在学中の2021年1月、久留米市内の女子大生の自宅に侵入したとして、住居侵入の疑いで逮捕・起訴されている。
警察によると、元医学部生の男は女子大生の自宅のカギに記された番号を暗記するなどして、インターネットで合鍵を注文していた。
その後の調べで、元医学部生が同じような手口で、一人暮らしの女性など20人以上の自宅に侵入し、下着を盗むなどの犯行を164件繰り返していたことが確認された。
元医学部生の男は「女性の家に入って、普段見られない世界を見たかった」と容疑を認めていて、2021年3月に保釈されている。
(引用:「普段見られない世界見たかった」女性宅侵入の元医学部生、合鍵で164件の犯行か…製造番号で合鍵作れる?|FNNプライムオンライン)
鍵番号を知られたと気づける人は限りなく少ないです。
鍵を盗まずとも、その場で写真に撮ったりメモに残すことで、鍵番号は簡単に把握できてしまいます。
そのため、被害者は鍵番号を知られたと気づくことなく、被害が起きるのを待つだけの状態となるのです。
実際の犯罪において、合鍵複製による住居侵入はどれだけ起きているのでしょうか。
警察庁の統計によると、令和4年度は住居侵入に伴う窃盗が全国で36,588件発生しました。
最も多かった手口は無施錠時の侵入が14,349件でしたが、合鍵を使用しての侵入も2,840件と決して無視できない数字となっています。
(参考:警察庁)
もし鍵番号による合鍵複製の手法がさらに知れ渡れば、被害件数がより増加する懸念があります。
鍵番号を知られてしまえば合鍵を作られるため、鍵番号を知られないための対策が必要となっていきます。
また、そもそも複製されないタイプの鍵に代えることも有効です。
鍵番号による合鍵複製を阻止する方法を理解しておきましょう。
合鍵複製には、大元である純正キーの鍵番号が必要になります。
そのため、普段使いを純正キーではなく合鍵にすることで、もし鍵を見られても鍵番号を知られることはないでしょう。
合鍵から合鍵を作ることも可能ではありますが、鍵は刻み方が少しでも違うだけで開かなくなります。
そのため、もし複製されるとしても純正キーから作成する場合と比べて精度が大きく下がる可能性があるでしょう。
純正キーを持ち歩かなければいけない場合、鍵番号が書かれた部分を覆い隠すことで鍵番号を知られることを防げます。
鍵番号の部分にシールを貼るだけでも有効ですし、キーカバーをつけることで携帯しやすさも確保できます。
キーカバーは素材の種類も多く、アクセサリー的に楽しむこともできて一石二鳥です。
鍵業者に依頼すれば、純正キーに書かれた鍵番号を削り取ることも可能です。
誰にも鍵番号を見られたくない上に、自分で鍵番号を参照する機会もないと考える場合には有効といえます。
しかし、鍵番号を削れば後から番号を確認することは不可能になるため、必ずどこかに鍵番号を控えておきましょう。
もし合鍵を作る必要性が出てきた場合に、参照できるようにしておくと便利です。
鍵番号から合鍵を作成できるということは、まだまだ世間一般に知られていないのが現状です。
そのため、不用意に鍵の写った写真をSNSに投稿して、鍵番号を知られてしまう可能性が存在します。
特に女性であれば、ストーカー犯に鍵番号を知られて自宅に侵入される危険が大きく高まるでしょう。
いち早く鍵番号を知られるリスクを理解しておくことで、自らの手で危ない目に遭ってしまう可能性を減らせます。
一部の鍵メーカーでは、鍵を挿入するシリンダーの持ち主登録をした人以外が合鍵を作れないようになっています。
登録制シリンダーを用いた場合、所有者がIDとパスワードを設定でき、合鍵作成時にはこの両方が求められるのです。
鍵番号を知られたら簡単に合鍵を作られてしまう状況と比べたら、格段にセキュリティ強度が高いといえます。
しかし、IDとパスワードを忘れてしまえば持ち主でも合鍵作成ができなくなるため、必ず控えておきましょう。
鍵番号による合鍵作成の危険があるのは、一般的な金属製の鍵になります。
そのため、鍵メーカー以外に複製技術が存在しないカードキー・暗証番号・指紋認証といった方式の鍵に切り替えるのも有効です。
費用は数万円から、場合によっては数十万円になるものもありますが、鍵の複製リスクは減らせます。
しかし、賃貸の場合だと物件管理者の許可が取れないこともあるでしょう。
もし合鍵を作られてしまった、および作られた疑いがある場合はどのように対処すればいいのでしょうか。
個人だけでの対処が難しい部分もあるため、実態調査は探偵など専門の調査機関にお任せいただくのがおすすめです。
合鍵を作られたとしても、合鍵を作ること自体は何の罪にもあてはまりません。
現状、鍵を複製する意図の確認方法は口頭しかない上に、法律で合鍵作成時の本人確認は義務付けられておらずその仕組みもありません。
合鍵作成者を逮捕するには、その合鍵を使用して住居侵入や窃盗など何らかの犯罪を行なった被害と犯行の証明が必要になります。
警察に合鍵の無断作成を相談しても、上記の通り取り締まりの法整備がされていないために動くことができません。
合鍵を用いた何らかの被害が出なければ動けないため、どうしても動き出しは後手に回ります。
そのため、少し疑いがあるという程度の状況では、警察は何もできないといえます。
先手を打った対策を行なうためには、より素早く動ける機関の協力を仰ぐのが有効でしょう。
探偵などの調査機関であれば、犯罪が起きる前であっても合鍵作成者の調査が可能です。
ご依頼者から鍵番号を把握されたかもしれない瞬間や疑わしい人物の聞き取りを行ない、相手の実態調査によって不審な動きがないか確認します。
調査によって、相手が合鍵を作成しているかどうかの確認が取れるだけでなく、余罪の存在も解明できます。
鍵番号にかかわる不安を解消するために、当探偵事務所は全力を注ぎます。
鍵番号を不正に知られて合鍵を作成されたことにまつわる相談事例をご紹介します。
もし少しでも相談を検討されている方にとって参考になる内容かと思いますので、ぜひご一読ください。
職場の上司に鍵番号を見られた…?
宮城県:女性 20代
職場で家の鍵をなくしてしまって、数時間後に見つかったんですがその間に誰かに鍵番号を見られていないか心配です。
最近やたらと話しかけてくる男性上司がいて、ボディタッチも多くてしつこかったんですが、その人が鍵を複製していないか疑わしい感じがします。
鍵番号だけで合鍵が作れると聞いて、慌てて相談してしまいましたが、調査していただくことは可能でしょうか?
既にご依頼者の中で疑わしい人物がおられるようなので、まずはその男性上司の身辺調査から開始しました。
勤務外の時間でどのようなことをしていたのか調べる傍ら、ご依頼者の鍵番号を控えて近隣の鍵業者に同じ番号での作成依頼がなかったか聞き取りも実施。
その結果、調査対象であった男性上司ではない別の人物が合鍵を作成していたという事実が発覚しました。
この人物も同じ職場に勤める男性従業員で、ご依頼者とはこれまで接点があまりなかったとのことです。
調査報告書をお渡しした後にご依頼者は鍵交換を行なった上で合鍵作成者と接触し、報告書を突き付けて合鍵を回収し処分することに成功したようでした。
鍵番号を知られたら簡単に合鍵を作成されてしまいますが、合鍵の無断作成を取り締まる法律がないのが現状です。
そのため、もし鍵番号で合鍵を作られても、何か被害が出なければ警察も対処ができません。
もし犯罪の未然防止を実現したいなら、当探偵事務所にご相談ください。
鍵業者への聞き取りや疑わしい人物の素行調査を行ない、どんな人物が合鍵を無断作成したのか解明します。
継続して素行調査を続けて、犯罪の決定的瞬間を押さえることも可能です。
ご相談は24時間365日受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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