Brainwashing Support Articles
以前からのコロナ禍が長引き、感染への不安をはじめとして、社会全体を覆う暗い雰囲気を利用し、新興宗教・スピリチュアルセミナー商法が、再び幅を利かせています。
先ごろ、大物お笑い芸人の女優が、夫に降りかかったコロナ感染、それに続くくも膜下出血、脳梗塞という災難をきっかけに“自称・霊能力者”に心酔し、周囲を不安にさせていると報じられました。
前置きとして、警視庁では「霊感があるかように振る舞い、先祖の因縁や霊の祟り、悪いカルマがあるなどの話を用いて、印鑑・数珠・多宝塔などを法外な値段で商品を売ったり、不当に高額な金銭などを取る悪徳な商法」を霊感商法と定義しています。
つまり「合格祈願や安産祈願で“自らの意思”で買ったお守り」などは、これに該当しません。そもそも、お守りを買っただけで“志望校に100%合格する”などとは考えないでしょうし、これを売る寺社も、合格を保証するような宣伝文句はうたっていません。
先述した女優のハマった霊能力者は、大物政治家も頼りにしているともいわれており、「除霊を受け、パワーを込めた石を身に付けると運気が上がる」というもの。
タイミング悪く、夫のコロナ感染と脳梗塞が重なり、霊感商法の“カモ”となってしなったというわけです。
この霊能力者は、定期的に自己啓発セミナーを開催。悩む人の相談に乗り、生きる力を与えたり、除霊などをするという。2019年からは霊能力者を養成する学校も設立しています。
「規模を拡大し、生徒数は1000人近くいます。彼を慕う著名人も多数います。ナチュラリストとしても知られる某女優は、俳優の夫とともに熱心な“信者”です。ほかにも、相方の不所持でコンビ活動が困難になってしまった人気芸人や、ワイドショーをにぎわせた女性国会議員も、1時間10万円もするセッション(授業)を受講していました」(この霊能力者の教え子)
前述の女優は、心理的に不安定だった時期にこの霊能力者と知り合うことになります。
「このセミナーではアイテムも販売しています。売れ筋は“不思議な力”が秘められているとうたった勾玉で“パワーレベル”によって値段も上下します。価格は安いもので10万円から、最高で50万円。この女優さんは最高ランクの勾玉を買ったそうです」(前出の霊能力者の教え子)
過去にも、詐欺的な新興宗教やスピリチュアルセミナーが流行した時期があります。2011年に起きた東日本大震災と、その後の計画停電などの社会不安が日本を覆った時期、その以前にも、2011年の米国同時多発テロ事件で、世界的にテロへの恐怖が広がった時期と重なり“スピリチュアルブーム”が起きました。
前述の女優は前夫と離婚する前、ともにある自己啓発セミナーに参加。このプログラムは数日間にわたって、海岸で目隠しをして大声で叫んだり、目を閉じて“死”を感じるという過激な内容でした。その後、彼女は“真の自分に目覚めた”と語ったそうです。
ちなみに、この女優の実家は、寺院の建築や仏壇・仏具の製造・販売などを扱う仏壇店。宗教が身近な環境で育ったことで、信心深い性格なのかもしれません。
そして、コロナ禍によって、再び災難が続いたことで、2度目のスピリチュアル騒動につながった可能性もあります。
また昨今、「コロナを撃退できる」とうたう「波動水」なる商品が登場。ネット上で「インチキでは?」と話題になっていることに加え、「ワクチンは有害」と主張する新興宗教やスピリチュアルセミナーも存在します。
現に“ワクチン害悪論”にとりつかれた有名人が、接種を拒んだ結果、コロナで亡くなるというニュースも耳にします。
新興宗教やスピリチュアルセミナー、およびマルチ商法、詐欺まがい商法をはたらく環境として、10年前は「放射能」、現在は「コロナウイルス」という目の見えない敵がいることは、彼らにとって、格好の“ビジネスチャンス”ともいえるわけです。
この霊能力者が運営する養成学校での「霊力覚醒プログラム」の授業料は、年間150万円。でもその実態は「宿題」のメールが来るだけでレッスンらしいことはしてくれないという。そのため、授業料の返金を求める生徒が続出したものの、返金に応じたかったことで、金銭トラブルが起きました。
彼の霊能力者としての力量不足を感じる生徒が増え、勾玉などの高額アイテムの販売も「霊感商法」だとし“被害者の会”も立ち上がりました。
人々の不安に付けこむ悪徳霊能力者は許せませんが、実際、身近な人がハマっていたらどうしようと、うろたえてしまうことでしょう。
特に、その人がすでに新興宗教やスピリチュアルセミナーに“洗脳”されていたとしたら、頭ごなしに説得することは、事態を悪化させかねません。
まずは事実だけ並べ、ロジカルに対応することが大切です。「あなたはダマされている!目を覚ませ!」などと、いきなり怒鳴りつけても、事を複雑にするだけです。
そして、詐欺罪について「だますという実行行為がある/損害が発生している/実行行為と損害の間に因果関係がある/実行行為に詐欺の故意が存在する」という構成要件を説明して、反応を待ちましょう。
警察に被害届を提出し、受理されれば、インチキな霊能力者を詐欺罪で逮捕するかもしれません。
しかしながら、実際は宗教やスピリチュアルの問題は、本物か偽物かの証明が困難であり「信じた方にも非がある」となりがちで、被害届を受理することすら、まれであるという現実があります。
各自治体の消費者センターに訴えるのもひとつの手です。同じ団体からの被害の報告が数多く寄せられていれば、消費者センターが働きかけをしてくれる可能性もあるでしょうし、被害者同士で連携しての集団訴訟提起などの手段も考えられます。
それでも解決が難しく、訴訟問題に発展しそうなほどのトラブルに巻き込まれたときは、証拠収集の専門家であるファミリーセキュリティにご相談ください。
お問合せフォーム・電話・メールにて24時間、土日祝日問わずお受けしていますので、お気軽にお申し付けください。
Copyright(C) ファミリーセキュリティ. All Rights Reserved.
(C) ファミリーセキュリティ